FA市場に残るセーブ王・ホランド エンゼルスと交渉継続か

トミー・ジョン手術からの復活を遂げ、昨季ナ・リーグ最多タイの41セーブをマークしたグレッグ・ホランドがまだフリーエージェント市場に残っている。ロッキーズからの好条件での再契約オファーを拒否したとされるホランドだが、ブルペンに不安を抱えるエンゼルスが動向を注視しているようだ。

2月下旬にホランドの獲得を検討していることが報じられたエンゼルスだが、MLB.comのジョン・ポール・モロシによると、エンゼルスは現在もホランドの代理人を務めるスコット・ボラスと連絡を取り合い、ホランド獲得の可能性を探っているという。ブレイク・パーカー、キャム・ベドロージアン、ジム・ジョンソン、キーナン・ミドルトンらがクローザー候補に挙げられているエンゼルスだが、いずれの投手もフルシーズンのクローザーを任せるには決め手に欠け、マイク・ソーシア監督は相手打者との相性などを考慮しながら複数の投手を併用することも検討していると言われている。しかし、「価格が適切であれば」という条件付きではあるものの、ホランドの獲得を検討していることは間違いなさそうだ。

ホランドはロッキーズとの契約オプションを自ら破棄し、クオリファイング・オファーも拒否してフリーエージェント市場に打って出た。ロッキーズからは3年5200万ドルという好条件での再契約オファーもあったようだが、これも拒否。ロッキーズは同条件でウェイド・デービスと契約し、クローザーの補強を終えた。ツインズはフェルナンド・ロドニー、カブスはブランドン・モロー、カージナルスはルーク・グレガーソンの獲得に成功しており、現在クローザーの獲得を検討している球団はほとんど残っていない。ホランドはクオリファイング・オファー物件でもあるため、獲得する球団はドラフト指名権やインターナショナル・ボーナスプールを犠牲にしなければならず、そのあたりも獲得を敬遠される原因となっている。

ホランドはロッキーズからのオファーを拒否した時点では、より好条件のオファーを得られると確信していたに違いないが、想定外の展開を強いられることになった。ホランドが契約を得るためには希望条件の引き下げが不可欠と見られるが、エンゼルスがこのチャンスを生かし、不安の残るブルペンに昨季のセーブ王を加える可能性は十分にありそうだ。

© MLB Advanced Media, LP.