44歳イチロー、新たな伝説作るか 立ちはだかるピート・ローズの壁

マリナーズへ復帰となったイチロー【写真:盆子原浩二】

古巣マリナーズに復帰が決まったイチロー、新たな伝説作るか

 イチローの古巣マリナーズ復帰が決まった。1973年10月22日生まれのベテラン外野手は2018年、44歳のシーズンを送ることになる。

 この年齢でMLBでプレーした選手は、米データサイト「ファングラフス」によると、1900年以降、34人にいる。ちなみにイチローは43歳の2017年、136試合に出場したが、これは43歳のシーズンとしては1991年のカールトン・フィスクの134試合を上回るMLB史上での最多出場だった。

 44歳シーズンの打撃各部門の3傑は以下の通り。

〇試合数
1.ピート・ローズ(1985年)119試合
2.フリオ・フランコ(2003年)103試合
3.サム・ライス(1934年)97試合
〇打数
1.ピート・ローズ(1985年)405打数
2.サム・ライス(1934年)335打数
3.トニー・ぺレス(1986年)200打数
〇安打
1.ピート・ローズ(1985年)107安打
2.サム・ライス(1934年)98安打
3.フリオ・フランコ(2003年)58安打
〇本塁打
1.フリオ・フランコ(2003年)5本塁打
2.カールトン・フィスク(1992年)3本塁打
3.ピート・ローズ(1985年)2本塁打
3.トニー・ぺレス(1986年)2本塁打
3.リッキー・ヘンダーソン(2003年)2本塁打
〇打点
1. ピート・ローズ(1985年)46打点
2.サム・ライス(1934年)33打点
3. フリオ・フランコ(2003年)31打点
〇盗塁
1. ピート・ローズ(1985年)8盗塁
2.サム・ライス(1934年)5盗塁
3.カールトン・フィスク(1992年)3盗塁
3.リッキー・ヘンダーソン(2003年)3盗塁
〇打率(100打席以上)
1.フリオ・フランコ(2003年).294
2.サム・ライス(1934年).293
3.ピート・ローズ(1985年).264

44歳で記録を打ち立てたローズ、フランコは49歳までMLBでプレー

 44歳で規定打席に到達した選手はいない。何かとイチローとは因縁のあるピート・ローズが、ほとんどの記録でトップ。ローズは前年、43歳で史上2人目の4000本安打を達成し、シーズン中にモントリオール・エキスポズから古巣のシンシナティ・レッズに復帰した。そして44歳の1985年9月11日にタイ・カッブの記録を抜く4192安打を記録。ピート・ローズの44歳は、最後の挑戦の年だった。翌年に引退している。

 同じく頻出しているフリオ・フランコは、1995年と98年にロッテでプレーしたことで日本人にもなじみがある。すでにその時点で30代後半だったが、その後、MLBに復帰。44歳の2003年はアトランタ・ブレーブスでプレーした。フランコは49歳の2007年までMLBでプレーしている。

 サム・ライスはワシントン・セネタースの名外野手だった。44歳の1934年にクリーブランド・インディアンスでプレーし、この年限りで引退している。

 今季のマリナーズの外野陣は、現時点で故障者が続出している。春先、イチローの出場機会は少なくないはずだ。この間に実績を上げて、ローズをはじめとする先人の記録に肉薄してほしいものだ。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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