岩村氏が語るベテラン3人 松坂活躍に太鼓判、村田には「お金で買えない」価値

現在、BCリーグ福島ホープスで監督を務める岩村明憲氏【写真:岩本健吾】

松坂、青木、村田…岩村明憲氏が見るベテラン3選手

 2018年シーズンの開幕を控え、各地でオープン戦が行われているプロ野球。今シーズンの注目は何といっても中日に入団した松坂大輔投手だろう。また、ヤクルトにはメジャーから青木宣親外野手が7年ぶりに復帰。昨シーズン最下位に沈んだチームを上位浮上に導く活躍が期待される。一方、松坂世代の村田修一内野手は昨季限りで巨人を退団し、ルートインBCリーグの栃木で再スタートを切ることが決まった。ともに30代後半を迎えるベテラン3選手は新天地で輝くことができるだろうか。ヤクルトで日本一に輝き、その後、メジャーでも3球団でプレー、現在はBCリーグ福島ホープスで監督を務める岩村明憲氏に3選手に対する思いを聞いた。

 キャンプで松坂を直に見たという岩村氏は「ここ数年では一番いい投げ方をしていた」と復活へ太鼓判を押す。

「笑顔があり、投げられていることに喜びを感じている様子でした。これから調子を上げ、いろいろなことが加味されてもっと良くなっていくと思います。肩、肘の問題は高校生の時から酷使していますから、当然あると思います。でも、あれだけ酷使していればもっと早く異常をきたしてもおかしくない。投げられるのだから、まだまだ頑張ってもらいたい。辞めることは簡単ですから」

 日本球界への復帰初勝利の可能性も十分にあると期待する一方で、取り巻く環境には懸念も示す。

「大輔のことばかり注目されているので、メディアが多く、集中しづらい環境だと思います。でも、彼は若いころからそういう環境に慣れているはずなので、自分のことに集中して欲しいですね」

青木は「心配はいらない」、村田は「お金では買えない」存在

 一方、7年ぶりに日本球界に復帰した青木については、日本球界にうまくアジャストできれば活躍できるだろうと予想。自身もメジャーから日本球界に復帰した経験がある岩村氏はメジャーに行く時より、日本に復帰する時の方が難しかったと振り返る。

「日本の野球はとても繊細なので、そのルールに合わせるのに時間がかかりました。また、移動手段も異なります。メジャーは公共交通機関を使わず、チャーター機で移動し、時間が遅くてもその日のうちに移動します。日本では移動の時も気を張っていなくてはいけないし、試合当日の移動もあるので、疲れ方が違います。そういった部分で、思っていた以上に年齢を感じる部分はあると思います。でも、それに対応できるのが彼ですから、心配はいらないでしょう」

 松坂、青木の今季の活躍に期待する一方、村田については若手の手本となる存在と語る。1月末に会って話をしたという岩村氏は、「まだまだNPBで活躍できるし、1軍で戦力になれる力はあると思います。何より、彼は練習態度が真面目なので、その背中を後輩が見ています。どんな素晴らしいコーチが教えるより、その姿を見せるほうが若手のためになる。それはお金では買えないものだと思います」と言う。

 今シーズン、松坂は1軍のマウンドで、青木は7年ぶりの日本球界で活躍することができるか。また、BCリーグ栃木への入団が決まった村田は新たな舞台で奮起するのか。今季は新天地で再出発する3人のベテランにも注目だ。

(Full-Count編集部)

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