ロイヤルズがムスターカスと1年650万ドルで再契約!

日本時間3月9日、マイク・ムスターカスは昨季まで所属していたロイヤルズと1年契約を結ぶことで合意に至った(2年目の相互オプション付き)。ヤフー・スポーツのジェフ・パッサンによると、基本給は650万ドルであり、出来高とオプション行使により最大で2年2270万ドルまで上昇するようだ。

昨季、自己最多かつ球団記録を更新する38本塁打を放ったムスターカスにとって、屈辱的な条件での契約になったと言っていいだろう。ロイヤルズ歴代最多となるシーズン38本塁打の実績を引っ提げてフリーエージェント市場に乗り込んだものの、得られた保証額は昨季の年俸(870万ドル)を下回る650万ドル。最大220万ドルの出来高が設定されており、全ての条件をクリアすれば昨季と同額を得られるようだが、オフシーズン当初に思い描いていたものとは全く異なる契約となったに違いない。

相互オプションは選手側と球団側がともにオプション行使を選択した場合にのみ効力を発揮するため、相互オプションが行使されるケースはほとんどない。実質的には基本給650万ドルに最大220万ドルの出来高がついた1年契約と考えて差し支えないだろう。再建に向かいつつあるロイヤルズはフリーエージェント選手との複数年契約を避けたい意向を示していたが、まさに狙い通りの結果となった。ムスターカスとしては1年後に再びフリーエージェントとなる際にクオリファイング・オファーの対象とならないというメリットはあるものの、ジョシュ・ドナルドソンやマニー・マチャドといった有力三塁手と同時にフリーエージェント市場に出ていくことになるため、必ずしも好ましい状況とは言えないのが実情だ。

38本塁打を放ったムスターカスだが、基本的には早打ちのフリースインガーであり、本塁打数のわりに打撃での貢献度はそれほど大きくない。また、右膝の大ケガから復帰した昨季は三塁守備での指標が悪化しており、そのあたりも多くの球団に敬遠されたのかもしれない。今回のムスターカスの契約からは、各球団が本塁打の価値を以前よりも低く見積もっていることが読み取れる。残念ながら、長打力だけが取り柄の選手にとっては厳しいオフシーズンになってしまった。

© MLB Advanced Media, LP.