【MLB】大谷争奪戦の余波? カーショーが大谷代理人に嫌悪感「時間と努力を無駄に」

エンゼルスの大谷翔平(左)とドジャースのクレイトン・カーショー【写真:Getty Images】

大谷を逃したドジャースの2選手が面談の様子を明かす

 7日(日本時間8日)に行われたオープン戦では、ドジャースのエース左腕クレイトン・カーショーにスローカーブで見逃し三振に仕留められてしまったエンゼルス大谷翔平投手。ドジャースと言えば、昨年12月に大谷獲得に向けて直接交渉に臨んだ7球団の1つだが、どうやらエース左腕は交渉直後に大谷とチームメイトにはならない運命を悟っていたようだ。地元紙「ロサンゼルス・タイムズ」電子版が伝えている。

 花巻東高時代から大谷の動向を熱心に追ってきたドジャースは、“二刀流”が移籍先に選ぶ本命チームと目されていた。大谷の代理人を務めるCAAのネズ・バレロ氏は、獲得に興味を持つ球団に資料提出を求め、“書類選考”を実施。通過した7チーム(エンゼルス、ドジャース、カブス、ジャイアンツ、パドレス、レンジャーズ、マリナーズ)が面談に進み、契約することのメリットについて大谷本人に直接訴えかけた。

 記事によれば、ドジャースはフリードマン強化担当責任者、ザイディGM、ロバーツ監督、カーステンズ球団社長、マクダニエル・コンディショニング担当コーチに加え、結婚記念日だったカーショー、結婚式準備に忙しかったジャスティン・ターナー、そして東海岸バージニア州から早朝便に飛び乗ったクリス・テイラーの3選手が、大谷との面談の席に着いたという。この時を振り返り、カーショーは「ハンパなく無駄な時間だった」、ターナーも「無駄な時間だった」と異口同音に語っている。

「DHをしたいと心を決めているようだった」

 カーショーによれば「彼はDHをしたいと心を決めているようだった。最初から15チームは除外するべきだったんだ。ナ・リーグ球団はみんな忸怩たる思いだったと思う。彼の興味を引いて契約するために、数多くの人が相当な時間を費やしたんだから」と話し、「時間と努力を無駄にした彼の代理人に腹が立つ」と嫌悪感を示したそうだ。

 ドジャースが持つ絆や雰囲気について熱弁を揮ったというターナーは「彼はあの場に座っていないようなものだった。自分たちは窓に向かって話をしている感じだった」と、まったく手応えや反応を掴めなかった様子。面談直後は2選手とは違う印象を持っていたロバーツ監督も、今となっては「彼はア・リーグに行きたかったんだよ」と話しているという。

 これに対して、代理人のバレロ氏は「初めから、ショウヘイは公平なプロセスを貫いた。各チームにありのままの情報を求め、彼自身も誠意をもって接した。そのチームでプレーするつもりもないのに面談をしていたと考えるのは、事実無根、かつ彼の倫理を侮辱してる。事実、直接交渉に招かれたチームの大半はナ・リーグの球団だった」と取材に対してメールで返答したそうだ。

 エンゼルスと契約を結び、新たなスタートを切った今でも、大谷争奪戦の余波は続いているようだ。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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