今年の鈴鹿は「四輪のエポックな年」に。30回記念のF1日本GPは『FUN』盛りだくさん

 鈴鹿サーキットを運営するモビリティランドは3月10日、鈴鹿サーキットモータースポーツファン感謝デーのなかで、30回記念大会となるF1日本グランプリについての発表を行った。今季は30回大会にふさわしいさまざまな企画が用意されているという。

 1987年に鈴鹿サーキットで日本グランプリが開催されてから、2018年の開催は30回目という記念のレース。鈴鹿ではそれぞれの企画に『FUN』というタイトルをつけ、さまざまな催し物を行うことになった。

 この日、鈴鹿ファン感謝デーのなかで行われた記者会見のなかで、モビリティランドの山下晋社長は「昨年は40回記念の鈴鹿8耐や、ツインリンクもてぎ20周年のMotoGPなど、二輪がエポックな一年でしたが、今年は四輪レースを中心にエポックな年にしたいと思っています」と語り、「今年の30回記念の日本グランプリについては、過去にないスケールで、お客様の思い出に残るような大会に。手元の資料では、とにかくワクワクするようなイベントにしたい」と語った。

■伝説的マシン15台、ゲスト10名以上来場へ

 まず山下社長から発表されたのは、『Legend F1 SUZUKA 30th Anniversary Lap』というもの。これまでも日本グランプリでは、かつてF1を盛り上げた伝説的なドライバーやマシンたちが来場していたが、今年は「30回記念にふさわしく、マシンを15台、ゲストを10名以上招きたい」と発表した。

 現在のところ決定しているのは、マシンではロータス100T、マクラーレンMP4/6といったホンダエンジン搭載車、さらにフェラーリ412T2、フェラーリF2005、フェラーリF10といった近年に至るまでのF1マシンが決定しているという。さらにミカ・ハッキネン、フェリペ・マッサの来場が決定。さらに、鈴鹿ファン感謝デーに来場しているジャン・アレジの参加も決まったとのこと。

 今季はさらに、これらの走行を金曜から日曜日まで、FOMの協力を得て3日間行いたいとしている。詳細な走行時間はFOMの承認待ちだが、長年F1を見続けるファンにとってはたまらないイベントになりそうだ。

■マシン展示やゲストのトークショーも。インフィールドパスを設定へ

 また、これまで非常に高額なパドックパスを手に入れなければ近づくことができなかったパドックに“近づける”パスが用意されることになった。

 今季は先述の『Legend F1 SUZUKA 30th Anniversary Lap』に出走するすべてのマシンを、F1のパドックに最も近いインフィールドエリア(A-1パドック)に展示するという。この入場には別途1万円のインフィールドパスが必要となり、当然ながらパドックそのものに入ることはできないが、インフィールドエリアではマシンの展示、そしてゲストドライバーによるトークショー等が展開されるという。

 さらに山下社長は、現在まだ詳細は決定していないとしながらも「日本GPをこれまで29回開催してきて、毎年来られている方も、初めての方もいる。そのすべての人たちが『30回目』の記念の大会に来たということを、なんらかのかたちに残したい」と、紙のチケットではなく、プラスチック等の手元に残したいチケットにすると語った。

■将来のF1ファンを増やすために。契約延長は交渉継続中

 また、今季は子ども〜中学生は全席3000円にしたり、高校生、大学生はV1席に10000円の特別料金を設定するなど、「ひとりでも多くの方に来場してもらって、将来に繋げていきたいと思っています」と山下社長は語っている。

 その他にも、FOM公認となる『謎解きゲーム』を3月3日〜10月8日にゆうえんち内で開催するなど、山下社長は「F1ファンを増やす、オープンなF1にするという点」でFOMと協力ができていると語った。気になる2019年以降の開催についてはまだ契約が結べていないと言うが、「今後も継続して開催したいと思っている」と山下社長。

「昨年から折にふれて、複数回ヨーロッパに行ってFOMのメンバーと議論を重ねている。ただ、我々としては30回開催してきて、2年間途切れたことはあるが、これだけ継続してF1を開催してきたコースはなかなかありませんから」

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