宮ヶ瀬ダムなど相模川水系「ダムアワード」初受賞 愛川町・清川村

宮ヶ瀬ダム操作室での授賞式記念撮影

 ダムファン有志などが、その年に活躍したダムを表彰する「日本ダムアワード2017」で、宮ヶ瀬ダムを含む相模川水系の総合運用が「低水管理賞」を受賞。3月5日には、宮ヶ瀬ダムで授賞式が行われた。

 日本ダムアワードは、「ダムファンによる、ダム版アカデミー賞」として、有志の選考委員会が活躍したダムをノミネート。プレゼンテーションでは、150人を超える愛好家たちが集い、観客も含めた投票で受賞ダムが決定する。

 第6回となる2017年のダムアワードでは、昨年12月に東京都渋谷でプレゼンテーションが行われた。7人のプレゼンターが、それぞれ印象に残ったダムを紹介。ダム大賞、放流賞、低水管理賞、イベント賞、洪水調節賞が決まった。

 宮ヶ瀬ダムを含む相模川水系総合運用が受賞したのは「低水管理賞」。

 低水管理とは、渇水時でも水道用水など必要な水が利用できるように管理・運用すること。

 神奈川県民の水瓶である宮ヶ瀬ダムでは、昨年の夏に水不足により貯水率が52%台に落ち込むなど、過去最低の貯水率を記録。遊覧船の運航が一時中止されるなど、影響があった。

 同水系では、このような渇水時に備えて宮ヶ瀬ダム、城山ダム、相模ダム、道志ダムの4つのダムの水を、導水路などを活用して補給する総合運用を日頃から行っている。

 昨年の渇水時も、大貯水量を誇る宮ヶ瀬ダムの水を最大限に活用。一般家庭での断水などを起こすことなく、危機を乗り切った。この総合運用の実績が評価され、2017年のダムアワードを受賞した。

 授賞式は、普段は一般の人が入ることのできない相模川水系広域ダム管理事務所の操作室で行われ、選考委員から受賞の楯などが贈られた。

 同水系の日本ダムアワード受賞は今回が初めて。同事務所広域水管理課長の小川浩さんは「日常生活に支障が出ないように、ダムの総合運用を行っています。取り組みが評価されたことは、とても嬉しいです」と話した。

 ダムアワード2017のダム大賞は、九州北部豪雨時に洪水調節を行い、洪水や流木による被害の軽減に貢献した福岡県の寺内ダムが選ばれている。

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