若者ドライバー発掘へ 業界初「準中型免許」PR動画

 18歳から取得できるトラックの免許「準中型免許制度」の認知度向上へ、神奈川県トラック協会(吉田修一会長)は12日から、若年層向けに製作したオリジナルのPR動画を横浜駅東口など県内3カ所の街頭大型ビジョンで放映する。運送業界以外でも、さまざまな職場で役立つ準中型免許。若者の「免許離れ」「車離れ」に歯止めをかけ、潜在的ドライバーを掘り起こす狙い。「準中型」に特化したPR動画の製作は業界初の試みだという。

 「準中型免許ができたことで、高校新卒者がトラック業界で働きやすい環境にはなったが、まだ認知度が低い」。県トラック協会の担当者は指摘する。高校生や大学生の子どもを持つ会員を中心に、昨年夏ごろから企画を準備。完成した動画は「準中型」というキーワードを前面に出した内容になった。

 免許の詳細を説明した完全版は動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開中。さらに12日から25日まで、横浜駅東口の「そごうSビジョン」、川崎駅の「アゼリアビジョン」、本厚木駅北口の「あつぎビジョン」の3カ所で、動画を15秒に編集したものを放映する。

 準中型免許制度が新設されたのは昨年3月。普通免許と2年以上の運転経験を要する中型免許の間に新設されたもので、車両総重量3・5トン以上7・5トン未満のトラックが該当する。18歳から、普通免許の保有を必要とせずに直接取得ができることが特徴だ。

 07年に中型免許制度が導入された際、普通免許で運転できるトラックは車両総重量5トン以下と定められた。しかし、保冷設備や安全機器などを装備した車両が増加し、2トントラックでも車両総重量が5トンを超えるものが増加。こうした小型トラックを運転するためには中型免許が必要となるが、若いドライバーにとって、年齢や運転経験といった取得要件がハードルになっていた。

 同協会の担当者は「準中型免許はイベント会社や、メーカーの営業職などでも役立つ」とその汎用性を強調する。「準中型免許の人口を増やせば『潜在的ドライバー』が増えることになる。すぐにトラックドライバーにならなくても、転職する際などにトラック業界を選択肢の一つに加えてもらえるといい」 同協会では、免許取得にかかる助成制度も用意しており、今後も若年層に向けたPRを継続していく。

© 株式会社神奈川新聞社