今季で87シーズン目を迎えたスペイン2部リーグ(セグンダ・ディビシオン)。一般的にはセグンダと呼ばれるが、現在の正式名称は「LaLiga 1|2|3」と、ちょっとユニークだ。
名門サラゴサをはじめ「元1部」クラブがひしめき合う2部リーグで現在首位を走るのは、1960年のクラブ創設以来一度も1部の経験がないウエスカ。古豪が下位に沈む一方で、この意外なクラブの躍進が昇格争いに混沌を招いている。
その2部では現在、鈴木大輔と井手口陽介の2人が日々戦っている。また昨季は柴崎岳がテネリフェでプレーするなど、近年のスペイン2部は日本人に身近な存在となった。
だがニュース量が少ない2部ゆえに、ユニフォームは自ら情報を収集しないと目にする機会も少ない。そこで今回は、今季の2部リーグに所属する全チームのユニフォームをまとめてみた。
3月に入り、来季の昇格・降格チームが“ぼんやりと”見え始める時期。そこでユニフォームは、第29節終了時点の順位を下から追っていく形で掲載。まずは最下位(22位)のセビージャ・アトレティコから見てみよう。
Sevilla Atlético 2017-18 New Balance
セビージャ・アトレティコ
ホワイトがホーム、レッドがアウェイ。セビージャのリザーブチームだが、独自に“たすき掛け”デザインのユニフォームを用意している。エンブレムもオリジナルのデザインだ。胸スポンサー「Playtika」はオンラインゲーム。
Lorca FC 2017-18 hummel
ロルカFC
ブルーがホーム、レッドがアウェイ。2003年に誕生した新しいクラブで、今季が初の2部リーグ挑戦となる。
Córdoba CF 2017-18 Kappa
コルドバCF
グリーン/ホワイトがホームで、ピンクがアウェイ。1部時代の2014-15シーズンにはハーフナー・マイク(現ヴィッセル神戸)が在籍していた。アンダルシアのクラブということもあり、エンブレムやユニフォームはどことなく“アンダルシアの雄”ベティスに似ている。
Cultural Leonesa 2017-18 hummel
クルトゥラル・レオネサ
ホワイトがホーム、ネイビーがアウェイ。1月から井手口陽介が在籍しているクラブだ。しかしチームの調子が上がらず、降格圏から脱出できない日々が続いている。胸スポンサー“ASPIRE ACADEMY”は、カタールのスポーツ選手育成機関でクラブのオーナー企業。
Gimnàstic de Tarragona 2017-18 hummel
ジムナスティック・タラゴナ
レッドがホーム、ホワイト/ブラックがアウェイ。他にイエローのサードも存在する。エンブレムのデザインの通りカタルーニャのクラブだ。2015-16シーズン途中から鈴木大輔が在籍しているが、今季は井手口のレオネサと残留争いを展開中。
AD Alcorcón 2017-18 Kelme
ADアルコルコン
イエローがホーム、ブラックがアウェイ。2部で8シーズン目を迎えたアルコルコン。2009-10シーズンの国王杯・ラウンド32では、ホームでレアル・マドリー相手に4-0で勝利。アウェイは0-1で敗れたが合計4-1でラウンド16に進出し、アルコルコンの街は熱狂の渦に。
FC Barcelona B 2017-18 Nike
FCバルセロナB
掲載はホームのみ。ユニフォームはトップチームと同じだが、左袖のスポンサー「beko」は入らない。
CF Reus Deportiu 2017-18 Kappa
CFレウス・デポルティウ
レッド/ブラックがホーム、オレンジがアウェイ。2部で2シーズン目のレウスはカタルーニャのクラブ。エンブレムにはサニェーラ(カタルーニャ旗)を配している。
UD Almería 2017-18 Nike
UDアルメリア
レッド/ホワイトのストライプがホーム、ホワイトがアウェイ。2014-15シーズンを最後に1部から遠ざかっているアルメリア。左袖にはホームタウンであるアルメリアの紋章をプリントしている。
Albacete Balompié 2017-18 hummel
アルバセテ
ホワイトがホーム、ピンクがアウェイ。1部所属は2003-04シーズンが最後。一時期は3部にまで落ちていたが、今季2部に昇格した。バレンシア州のチームだけに、エンブレムにはコウモリが描かれている。
CD Tenerife 2017-18 hummel
CDテネリフェ
ホワイトがホーム、ブルーがアウェイ。柴崎岳が在籍していた昨季は昇格プレーオフを戦ったが、今季はプレーオフ圏外に沈んでいる。アウェイにプリントされているスポンサーはテネリフェ島の観光協会。テルセーラ(4部リーグ)で戦うテネリフェBには吉村祐哉が在籍している。
Real Zaragoza 2017-18 adidas
レアル・サラゴサ
ホワイトがホーム、レッドがアウェイ。1部所属時代が圧倒的に多いスペインの名門だが、なかなか昇格出来ず。2部で5シーズン目を迎えたが、これはクラブワースト記録だ(これまでは1943-47の4シーズンが最長)。長谷川アーリアジャスール(現名古屋グランパス)が2015-16シーズンの前半に在籍していた。
Real Valladolid 2017-18 hummel
レアル・バジャドリー
パープル/ホワイトがホーム、ピンクがアウェイ。城彰二氏が1999-2000シーズンに在籍していたクラブで、エンブレムとユニフォームのデザインの良さに定評がある。今季はリーグ屈指の破壊力を誇るが、失点もまた多い。
CD Lugo 2017-18 hummel
CDルーゴ
レッド/ホワイトがホーム、ブラックがアウェイ。ルーゴと言えば「ビール」や「タコ」をデザインした奇抜なユニフォームで有名となったが、hummelがサプライヤーになって以降は落ち着いた感がある。
CD Numancia 2017-18 errea
CDヌマンシア
レッドがホーム、ホワイトがアウェイ。2006-07シーズンからErreaのキットを使い続けているが、その06-07シーズンと言えば福田健二氏(現横浜FC・強化ダイレクター兼強化担当部長)が在籍し、34試合10得点という立派な数字を残している。
CA Osasuna 2017-18 adidas
CAオサスナ
レッドがホーム、イエローがアウェイ。1部に定着していた期間もそれなりに長いが、ここ数年は1部と2部を行ったり来たりのエレベータークラブに。アウェイキットのセンターラインがユニークなデザイン。
Real Oviedo 2017-18 adidas
レアル・オビエド
ブルーがホーム、ホワイト/ブラックがアウェイ。伝統的にホームはブルーだが、アウェイは規則性が無くシーズンによってデザインが異なる。2000-01シーズンを最後に1部昇格を果たせないでいる。
Sporting de Gijón 2017-18 Nike
スポルティング・ヒホン
レッド/ホワイトのストライプがホーム、ホワイトがアウェイ。2016-17シーズンは18位で降格となり、今季は2部で戦うヒホン。ホームキットは絶対にブレないストライプだ。「Real」の称号を持ち、エンブレムには王冠が描かれている。
Cádiz CF 2017-18 adidas
カディスCF
イエローがホーム、ブルーがアウェイ。80年代後半から90年代前半にかけては1部の常連だったが、その後は2005-06シーズンだけ1部に所属。チームカラーのブルーとイエローはカディスの街の紋章に由来している。
Granada CF 2017-18 Joma
グラナダCF
レッド/ホワイトがホーム、ブラックがアウェイ。2011-12シーズンに35年ぶりの1部昇格を果たしたが、昨季は最下位で降格となり、今季は再び2部で戦っている。2016年に中国人がオーナーとなり、2016-17シーズンからは胸スポンサーに漢字が使われている。
Rayo Vallecano 2017-18 Kelme
ラージョ・バジェカーノ
ホワイトがホーム、レッドがアウェイ。伝統的にペルー代表のような“たすき掛け”デザインを使い続けている。選手が着用するユニフォームには胸スポンサーが入っている。
SD Huesca 2017-18 Bemiser
SDウエスカ
ブルー/レッドがホーム、ホワイトがアウェイ。「元1部」のクラブが多い2部リーグで現在首位に立つのは、1部リーグ未経験のウエスカ。これまで4部リーグ時代が長かったクラブが予想外の快進撃だ。そのウエスカを支えるユニフォームサプライヤーが名もなきローカルブランドのBemiserというところに、ある種のロマンを感じる。