復興から交流へ 小田原市は防災対策を強化 小田原市

2012年には小田原産木材を仮設飲食店「報徳庵」に寄贈

 東日本大震災の発生から丸7年。小田原と被災地とのつながり、市の防災対策について現況を追った。

変わりゆく支援

 震災が起きた2011年に二宮尊徳の分度推譲の精神に基づき立ち上がった「報徳の森プロジェクト」。二宮尊徳を通じて縁のある福島県相馬地方へ小田原の木を使った支援を続けてきた。当初は木材を届けることが主な活動だったが、復興が進む中「必要な木材木製品を購入いただいたり、相馬地方の魚や特産品を譲っていただくような活動に発展してきた」と高木大輔会長は話す。昨年は、南相馬市小高地区の東町エンガワ商店から「地元の高校が再開したのでベンチが必要」との相談を受け、5台の木製ベンチを寄贈した。現地では学生だけでなく、地域の人たちの憩いの場となっているそうだ。また昨夏、小田原で行われた報徳二宮神社の大鳥居お木曳の際には、相馬市から有志が参列するなど、今も交流は続いている。高木会長は「200年前の報徳仕法で繋がっていた福島相馬地方と奇しくも震災がきっかけで再び知り合えた。今後も要望に応えていきながら支援を続けていきたい」と語った。

防災対策の強化

 市が、震災の翌年から始めた「津波一時避難施設(津波避難ビル)」の指定・協定の締結。2017年9月現在、92の施設と締結している。また、昨年12月には「大規模災害時における応急危険度判定士の派遣に関する協定」を建築士らと結んだ。地震が発生した際、直ちに避難所などの安全性の判定が可能になった。

続く活動

 福島第一原発事故を忘れてはならないと、翌年から3月11日に実施されている「さよなら原発小田原パレード」。今年も二の丸広場に午後1時30分集合、北條ポケットパークまで「原発いらない」の思いを込めて練り歩く。誰でも参加自由。荒天中止。

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