ラトバラ「エンジンの温度に気をとられて集中できなかった」/WRC第3戦メキシコ デイ2コメント

 WRC世界ラリー選手権第3戦は3月9日、デイ2のSS2~10が行われ、ダニ・ソルド(ヒュンダイi20WRC)が総合首位に浮上。スポット参戦のセバスチャン・ローブ(シトロエンC3 WRC)が総合2番手に入り、同3番手にはオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が続いた。

■Mスポーツ・フォード

●セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)/デイ2総合5番手

「今日は、できるかぎりプッシュしてみたよ。僕らは小さなスピンをして、それで6~7秒ぐらいロスしてしまったけれどすぐコースに戻った」

「1日を通して見れば満足のいくものだったと思う。ベストを尽くせたし、僕らと同じようなスタート順位だったライバルたちを打ち負かしていた。だけど、確実に後続車たちの方が速かった。僕らが予想した通りね」

「明日は今日よりも走行順が早くなるから、今日より良くなることはないだろう。先行しているライバルに追いつくのは難しくなるけれど、彼らだってどうなるかは分からないから、ベストを尽くすだけだよ」

セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)

●エルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)/デイ2リタイア

「予想よりもずっと悪いバンプの連続にヒットしてしまった。リヤを失ったとき、まだ6速のままでスライドから態勢を立て直すパワーがなかったんだ」

「僕らはバンクのイン側ぶつかって、その後は何回したか分からないくらい転がったよ。その時はもう、(ラリーを)続けられないと思って、すぐにマシンから飛び降りた」

「だけど、砂埃が収まってから改めて見てみるとダメージは思ったほど大きくなかった。僕らはふたたびヘルメットを着け、クルマに戻ってなんとかステージを走り終えたんだ。あのような横転の後では、信じられないことにね」

「サービスに戻ってからメディカルチームのチェックを受けた後、ダンは追加の検査を勧められた。僕らはふたりとも大丈夫だったがこれは重要なことだ」

「(今回のラリーはここで終了となるから)僕らは次のコルシカ島(第4戦フランス)での再出発にフォーカスしなけらばならない」

●テーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)/デイ2リタイア

「今日の午前はリズムを取るのに少し苦労していて、望んでいたスピードが出せなかったよ」

「走行順がよかったから周りのライバルたちとのギャップををもっと縮めておきたかった。しかし、僕は(セバスチャン・)ローブとの差に気を取られすぎたみたいだ。彼が9度のワールド・チャンピオンシップだってことを覚えておくべきだった!」

「午後の最初の再走ステージは午前よりも少しプッシュしていた。先が狭くなったコーナーの中にやや広がったところがあって、そこを少しワイド気味に走ってしまったため、僕らはフェンスと接触してサスペンションパーツのいくつかを破損してしまったんだ」

「その後、マシンをドライビングするのはがとても難しくなった。マシンを壊してしまったら、当たり前のことだけれどね!」

「コーナーにマシンを合わせるのが難しかったから常にブレーキを踏んでいて、それが原因で今度はブレーキがオーバーヒートしてしまった。その結果、コーナーでふたたびワイドになり、バリアに当たってデイリタイヤすることになってしまったんだ」

「だけど、スーパースペシャルステージで勝利できたことは本当に良かった! これが、僕が改善しようと務めていたエリアだからね。今回のラリーにはこういうステージが多くて、みんなより数秒遅れたらラリーの最後にはたくさんのタイムを失うことになる」

「僕らは、こういったステージで改善できるように頑張っている。だから大変な努力が報われたことは素直にうれしいよ」

■ヒュンダイ・モータースポーツ

●アンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC)/デイ2総合6番手

「今日は状況が状況なので、できる限りハードにプッシュしようとしてきた。全体的には充分満足しているけれど、改善の余地があることは分かっている」

「午前中の走行では、マシンのグリップを得ることと、埃っぽい山間部のステージでグリップをどうコントロールするかということに焦点を置いていた。午後はハード寄りのタイヤを選んだけど、とても滑りやすく感じるときがあったね」

「コース取りを見失いやすいので、どこでプッシュするか、どれだけハードにプッシュするかを見極めるのが難しかった。あちこちでいくつかミスをしたけど、全般的にはしっかり走ることができた1日だったよ」

「(今のところ)トップ5をめぐる接戦のなかに食い込むことができているけれど、それが僕たちにとって足がかりとなるだろう」

ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20 WRC)とダニ・ソルド(ヒュンダイi20 WRC)

●ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)/デイ2総合7番手

「僕たちにとってまったくポジティブな日ではなかった。出走順が1番だから難しくなることは分かっていたけれど、それでも僕たちのモチベーションレベルはとても高かったんだ」

「午前中の走行ではタイムをあまり失わないように最善を尽くしていた。短いSS5が始まる前は総合7位だった。残念ながら予測できない過剰な燃料消費が起こって、SS5で燃料プレッシャーがなくなってしまった」

「それで約20秒を失い、順位がふたつ下がってしまった。とてもがっかりしたよ」

「午後も改善はせず、またSS8(オルテガ2回目)で苦労することになった。パワーステアリングのトラブルで40秒タイムを失ってしまったんだ。明日も厳しい1日になるが、週末を通してできる限りベストな状態になれるようプッシュし続けるよ」

アンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20 WRC)

●ダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)/デイ2総合首位

「今日の自分たちのペースとリズムには満足している。特に午前中の走行では出走順を大いに活用して、良いタイムを出すことができた」

「初日の終わりの時点でラリーの首位にいるのは素晴らしい気分だ! でも激しい接戦なのは分かっているし、明日も熾烈な戦いになるだろう。チーム全員のハードワークに感謝の気持ちを伝えなければね。彼らは完璧なマシンを与えてもらっている」

「金曜午前にステージ優勝できたのはとても良かったけれど、2度目の走行がトリッキーになることは分かっていた。ソフトタイヤには限界があるかもと思っていたが、そのリスクを冒したところでメリットはなかった。横方向のグリップを充分に生み出すことができなかったんだ」

「僕たちはこれまでメキシコでは速さを出してこれているから、このままトップ争いを続けることを願っているし、表彰台争いに残るためにできることはすべてやるつもりだ」

■シトロエン・レーシング

●クリス・ミーク(シトロエンC3 WRC)/デイ2総合4番手

クリス・ミーク
「今朝の完璧とは言えないタイヤ選択と、午後の僕のばかげたふたつのミスさえなければ、僕たちは先頭集団でトップにいられたかもしれなかった」

「だから今日は少し不満が残っている。でも人生はそんなものだ。重要なのは、良いスピードが出せていたことと、C3 WRCを本当に楽しんでドライブできたことだ」

「まだ先は長い。僕は必ずやプッシュし続けていく。そうしてどういう展開になるか見てみようじゃないか!」

クリス・ミーク(シトロエンC3 WRC)

●セバスチャン・ローブ(シトロエンC3 WRC)/デイ2総合2番手

「全体的に『文句なし』といえるとても素晴らしい初日の走行になったね! 来る前は何が起こるか分からなかったけど、首位からそれほど離れていない2番手につけることができた」

「6年ぶりのメキシコでこのペースを出すことができて嬉しいよ。これからも同じペースを維持していくつもりだけど、簡単にはいかないことは分かっている」

「とりわけ(オット・)タナクは、すぐ後ろにつけている。彼が高速ステージにとても強いことは知っているよ!」

セバスチャン・ローブ(シトロエンC3 WRC)

■トヨタ

●ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)/デイ2リタイア

「今日、最初のSSをスタートした時点でクルマはとても良いフィーリングだった。しかし、その後エンジンの温度が上がり始めてしまい、温度をコントロールすることは可能だったが、パフォーマンスには影響が出てしまった。温度に気をとられ、運転に集中することができなかったんだ」

「その後、日中のサービスでチームが問題の解決に尽力してくれたお陰で、午後は状況が好転した。それだけに、オルタネーターにトラブルが発生しリタイアせざるを得なかったのは残念だよ」

「明日、再出走すれば何ポイントか獲得できる可能性があるので、諦めずに戦い続けたいと思う」

●オット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)/デイ2総合3番手

「全体的には良い1日だった。このクルマでグラベルラリーを戦うのは初めてだったから、学ばなくてはならない新しいことが沢山あった」

「暑さでエンジンの温度がかなり高くなったので、午前中はできるだけ上がらないように調整しながら走った。しかし日中のサービスでチームが素晴らしい仕事をしてくれたので、午後はかなり状況が改善され、思い切って攻めることができたよ」

「自分よりも上位の選手と比べると出走順はやや不利だったけど、何とか彼らに大きく離されずにすんだ。今日は良い1日となったので、明日もきっとうまく行くはずだ」

オット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)

●エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)/デイ2リタイア

「非常に困難な1日だった。今朝はとても残念な結果となり、午後は不必要なミスを犯してしまった」

「90度の左コーナーで進入ラインを見誤り、その結果ワイドに滑ってしまいコースから外れてしまったんだ」

「クルマにはそれほど大きなダメージはなかったけれど、、コースに復帰することはできなかった。今日はあまりポジティブではない1日でしたが、明日は状況が良くなることを期待している」

エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)

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