都心の料理人 秦野へ滝行に 冬の朝、髭僧の滝で心身清め 秦野市

髭僧の滝に入り、必死に手を合わせる清久さん

 「滝にあたると、しばらく日常の他愛もないことが幸せに感じるようになるんですよね…」。東京都や川崎市の飲食店で厨房に立つ料理人たちが、秦野市蓑毛の「髭僧(ひげそう)の滝」へ来るようになったのは7年ほど前から。秦野へ野菜を買いに来ていたフランス料理店ラ・ビュット・ボワゼ料理長の森重正浩さん(56)が「清らかな気持ちで料理に向きあいたい」と滝行を始め、今では冬季に数回、料理人仲間などに声をかけ早朝に心身を清めている。

 2月26日には、ラーメン店やレストランなどに勤務する料理人など5人が参加。自家用車で蓑毛バス停から柏木林道の脇道をしばらく進み、金目川源流近くの木々と岩に囲まれた場所に着くと、車を降りて滝へ向かい、一人ずつ冷たい水の中へ入った。

 清久(きよく)瑛莉香さん(23)=川崎市=は先日アマゾンで購入した白装束に身を包み人生初めての挑戦。1分ほど冷たい水を浴びながら手を合わせ、タオルで体を拭くと、「心が洗われました。また来たいです」と笑顔で話した。

 6人は滝の近くで森重さんが持参したアップルパイとホットコーヒーを嗜んだ後、平沢のはだのじばさんずで野菜を買ってから都心へ帰って行った。

じっと滝を浴びる森重さん

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