背番号に付加価値をつけたイチロー、マリナーズの「51」が復活
シアトル・マリナーズの背番号「51」が復活した。イチローが2012年シーズン中にニューヨーク・ヤンキースに移籍してから欠番になっていたが、6年ぶりの古巣復帰で背番号も復活したのだ。
イチローはヤンキースでは「31」をつけた。ヤンキースの「51」と言えば、バーニー・ウィリアムス。イチローが尊敬する名外野手の番号だった。バーニーは2006年を最後にヤンキースを退団。以後欠番になっていたが、イチローはこの大先輩に配慮して「31」をつけた。ヤンキースの「51」は、2015年にバーニー・ウィリアムスが正式に引退表明をするとともに永久欠番(リタイアード・ナンバー)になった。
2015年、マイアミ・マーリンズに移籍したイチローは再び「51」をつけた。
MLBで背番号「51」を15シーズン以上つけた選手は7人いる。
◯20年 ランディ・ジョンソン(投手:エクスポズ、マリナーズ、アストロズ、ダイヤモンドバックス、ジャイアンツ)
◯18年 トレバー・ホフマン(投手:マーリンズ、パドレス、ブルワーズ)
◯18年 ウィリー・マギー(外野手:カージナルス、アスレチックス、ジャイアンツ、レッドソックス)
◯16年 テリー・フォースター(投手:ホワイトソックス、パイレーツ、ドジャース、ブレーブス、エンゼルス)
◯16年 バーニー・ウィリアムス(外野手:ヤンキース)
◯15年 イチロー(外野手:マリナーズ、マーリンズ)
ランディ・ジョンソンとトレバー・ホフマンは野球殿堂入りを果たした。今季でイチローは「51」をつけた年数でバーニー・ウィリアムス、テリー・フォースターに並ぶ。
「51」でMLB球団の永久欠番になっているのは、以下の3人だ。
ランディ・ジョンソン(ダイヤモンドバックス)
トレバー・ホフマン(パドレス)
バーニー・ウィリアムス(ヤンキース)
イチローは、ランディ・ジョンソンと共にマリナーズの永久欠番になることが確実視されている。
大きな番号「51」をスター番号に変える活躍
シアトル・マリナーズの永久欠番を見てみよう。
「11」エドガー・マルティネス
「24」ケン・グリフィーJr.
「42」ジャッキー・ロビンソン
エドガー・マルティネスとケン・グリフィーJr.は、共にイチローのチームメートだった時期がある。ジャッキー・ロビンソンは黒人初のメジャーリーガーとして30球団共通の永久欠番になっている。
背番号「51」は、イチローが1991年ドラフト4位でオリックス・ブルーウェーブに入団した時に与えられた番号だ。4年前まで現オリックス監督の福良淳一が1985年から3シーズンつけていたが、有望選手に与えられた背番号とは言い難い。同じ年のドラ1、田口壮(現オリックス2軍監督)の背番号は「6」だった。
しかし、イチローはこの大きな背番号でNPB記録を次から次に塗り替える驚異的な活躍をし、スター選手になっても背番号を変えなかった。イチローがMLBに渡った2001年以降、オリックスで「51」は欠番になっている。
今や日米で背番号「51」といえばイチロー。スター選手がつける背番号という認識になっている。野球少年にも憧れの背番号にもなった。選手の活躍が背番号の価値を高めた典型だろう。
6年ぶりにマリナーズの「51」をつけて、イチローはどんな活躍を見せてくれるだろうか。
(Full-Count編集部)