野上(十八銀行)GC出場権獲得 名古屋ウィメンズマラソン5位

 2020年東京五輪のマラソン代表選考会「グランドチャンピオンシップ(GC)」出場を懸けた名古屋ウィメンズマラソンは11日、ナゴヤドーム発着で行われ、長崎県の野上恵子(十八銀行)が2時間26分33秒で日本勢3位となる5位に入り、GC出場権を獲得した。

 リオデジャネイロ五輪1万メートル代表で初マラソンの関根花観(日本郵政グループ)が2時間23分7秒で3位、岩出玲亜(ドーム)が2時間26分28秒で4位となり、日本勢上位3人がGC進出の規定を満たした。

 メスケレム・アセファ(エチオピア)が2時間21分45秒で初優勝。清田真央(スズキ浜松AC)は9位、前田彩里(ダイハツ)は15位だった。(スタート時晴れ、気温8・3度、湿度48%、東北東の風0・3メートル)

 ずっと頭に置いていたのは「2時間26分55秒」のタイム。チームのOG、扇まどかさんが持つこの県記録が、GC進出への目安でもあった。

 野上は最後まで粘り抜き、日本勢3位となる2時間26分33秒でゴール。自己ベストを1分46秒縮める好走に、吉井監督は「GC出場権獲得と県記録更新が目標だった。内容には課題もあるけれど、十分の結果」と合格点をつけた。

 最初は5キロ17分ペースの先頭集団についたが、10キロすぎで「この速さじゃ、後半持たないかも」と冷静に判断。自分のペースに切り替え、ポイントごとの設定とフィニッシュタイムを計算しながら距離を重ねていった。

 30キロ付近で「スピードを上げられる時に上げておこう」と再びペースアップ。35キロすぎに小原(天満屋)をかわして日本勢3位に浮上し、後半のペースダウンを最小限にとどめて走り切った。

 後半に粘って、落ちてくる先行ランナーを拾っていくのは得意な展開。ただ、GCは「勝負」が必要になる。その本番は2019年秋の予定だ。

 十分な準備期間を手にした32歳は「次のステップに進んで、今後はレースでもっと勝負できるようになりたい」と新たな挑戦を楽しみにしていた。

© 株式会社長崎新聞社