刻まれた復興の歩み 応援職員が写真展

 東日本大震災から7年となった11日、復興をテーマにした写真展が県立秦野戸川公園(秦野市堀山下)のパークセンターで始まった。同公園の元園長で宮城県石巻市に応援職員として2年半にわたり赴任した永嶌進さん(71)=大磯町=が、地震発生から復興に至る道のりを写真と動画などで紹介している。

 永嶌さんは18歳で神奈川県に入庁。主に土木畑を歩み、2010年4月から14年3月まで同公園の園長を務めた。退職直後の14年4月、復興庁の公募に応じ、石巻市役所へ。県職員時代の経験を生かし、下水道施設の復旧や住宅地の高台移転などに携わった。全国の自治体から集まった応援の現役職員や、永嶌さんのような職員OBまで20〜70代が、机を並べて働いたという。

 休日は気仙沼市や女川町、岩手県陸前高田市など周辺7市町を回り、被災を伝承する展示施設や、被災後に整備された堤防、避難タワーなどを写真に撮りためた。

 写真展では、津波にのみ込まれ、がれきの山と化した被災地について、がれきが片付けられ、高台に移転したり、かさ上げ工事が行われたりする様子を、約100枚の写真で紹介している。被災時や直後の写真は地元の同僚や友人から譲ってもらった。

 永嶌さんは「海岸を抱える神奈川にとっても人ごとでない。風化させず、まちづくりに生かしてほしい」と話している。

 30日まで。入場無料。問い合わせは、同公園電話0463(87)9020。

© 株式会社神奈川新聞社