丸一鋼管が新中期計画、2020年度営業益2割増の240億円目指す

 丸一鋼管は9日、4月からスタートする「第5次中期経営計画」(3カ年)を発表した。海外事業での販売拡大や国内外での価格回復による売上高増加、内外でのスプレッド拡大による増益と海外の業容拡大による収益拡大、連結営業利益率(ROE)向上などを進めて、最終年度の2020年度に売上高で17年度比216億円増の1750億円、営業利益で同44億円増の240億円、ROEで同0・9ポイント増の6・6%や、株主還元率50%などを目指す。

 具体的な施策では、国内では営業力強化と、IoT・AIを活用した生産・事務効率化、設備更新、採用や働き方の見直し、女性や外国人活用。海外では米国3社の強化、ベトナムSUNSCO社の強化、自動車用鋼管工場の強化。内外共通課題としての労働生産性向上。M&Aなど事業投資の検討。株主重視政策と社会貢献方針の堅持―などを進める。

 同社は、今年3月までの第4次中計で、国内では大阪工場の堺工場集約など生産効率化、子会社・丸一鋼販の営業拠点強化。

 海外では、米国3社の増産・品質・物流対策強化に向けた設備投資、インドの自動車用ステンレス鋼管工場の2工場化、フィリピンでの自動車二輪車用鋼管工場の19年立ち上げ決定など内外で施策を進めてきたが、最終17年度売上高1850億円、営業利益225億円、ROE6・5%以上などの目標は、市況の悪化、素材などコスト高から達成できなかった。こうした反省などを踏まえて新中期を策定した。

© 株式会社鉄鋼新聞社