東鋼業と大阪鉄板、波板事業で業務提携 製造・販売、輸送で協力関係深化

 東鋼業(本社・埼玉県八潮市、社長・鵜川温氏)と大阪鉄板(同・堺市堺区、同・綾清志氏)は、主力の波板事業で業務提携する。最大顧客層のホームセンター業界で全国展開の動きが広がる一方、需要は大幅に縮小。創業から90年、60年超と東西を代表する両社は製造と販売、輸送の各面で新たな協業を通じてこれまで培ったノウハウを深化させるとともに、独自性を最大発揮できる供給体制の確立を目指す。

 両社はこのほど覚書を交わし、近く具体的な施策について協議を始める。

 東鋼業は1927年(昭2)年創業で、亜鉛めっき、塗装、波付成形加工を手掛ける一貫製造メーカーとして年間5千トンの波板製品を生産。大阪鉄板は54年(昭29)年に創業し、同等の設備で年間2千トンを製造する。それぞれ東日本と西日本を販売エリアに据え、売上高は東鋼業が20億5400万円(17年9月期)、大阪鉄板は6億5千万円(17年12月期)を計上している。

 波板は加工性の手軽さや一定期間の耐久性が評価を受け、仮置き倉庫や家畜小屋の屋根・壁向けをはじめ高度成長期の昭和40年代ごろには年間50万トン程度の需要規模に上ったのに対し、その後は他素材との競合なども重なり、現状では最盛期の1割程度まで低減しているとみられる。

 昨今の波板メーカーでは、市場の競争が激化する中、一昨年から続く鋼材の大幅値上げに加え、めっき製造に欠かせない亜鉛の記録的な高騰に直面。製品価格に対するコストアップ分の転嫁が道半ばにとどまる。

 一連の状況を踏まえ、両社は中長期的な企業体質の強化に向けた製造・販売体制の再構築が必要と判断。製造面での協力関係を深めるとともに、現在個別に対応する調達業務についても原材料や副資材の共同購入も視野に検討を進める。広域化するホームセンター向けの供給についても最適な輸送の在り方を探るなど競争力ある価格で良質な製品を市場に供給し続けることで全国単位で需要を捕捉していく。

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