元サイ・ヤング賞右腕・アリエタがフィリーズとの3年契約に合意

レギュラーシーズン開幕まで3週間を切り、フリーエージェント市場の有力選手が次々に契約先を決めるなか、ようやくジェイク・アリエタにも動きがあった。日本時間3月12日、アリエタはフィリーズと3年契約を結ぶことで合意に至ったようだ。

再建期間中と思われていたフィリーズが大胆な補強に動いた。以前から獲得が噂されていた2015年サイ・ヤング賞右腕のアリエタと、3年7500万ドルで契約合意に至ったことを複数のメディアが報じたのだ。MLB.comのジョン・ポール・モロシによると、アリエタは契約2年目となる2019年シーズン終了後にオプトアウト(=契約破棄)の権利を有しているようだが、フィリーズが契約を2年間延長するオプションを行使すれば、アリエタのオプトアウトを阻止することが可能だという。その場合、延長分の2年間の年俸は2000万ドルがベースとなり、先発登板数やサイ・ヤング賞投票の結果により3000万ドルまで上昇する。よって、今回の契約は最大で5年1億3500万ドルまで膨れ上がる可能性を秘めているというわけだ。

アリエタは2015年に22勝6敗、防御率1.77の好成績でサイ・ヤング賞を受賞し、2016年は18勝8敗、防御率3.10、昨季は14勝10敗、防御率3.53と、緩やかに成績を悪化させながらも先発ローテーションの軸に相応しい成績を残してきた。今後も成績悪化が懸念されるが、直近3シーズンのパフォーマンスを維持できるようであれば、フィリーズにとってはお買い得な契約となるだろう。また、フィリーズは成績悪化のリスクを回避するために3年以上の契約を結ぶ意思がないことを明確にしていたが、今回の契約はその意志がしっかりと反映されたものになったと言える。

成績悪化の懸念があるとはいえ、フィリーズが球界有数の先発右腕を手に入れたことは間違いない。これによりアーロン・ノラとの先発二本柱が確立し、ポストシーズン進出も夢ではない戦力が整った。アリエタの加入は、ナ・リーグ東部地区の他球団にとって大きな脅威となるに違いない。

© MLB Advanced Media, LP.