情報発信スマートに 市の“玄関”本厚木駅前 電子看板8台、7月稼働へ

 イベントや市政情報の発信強化につなげようと、厚木市が小田急線本厚木駅の北口広場に8台の電子看板を設置し、7月から運用を開始する。同駅前に2006年に設置され、老朽化していた市の大型ビジョン「あつぎビジョン」は撤去する方針。維持費低減と広告収入増の両立も見込めるという電子看板を生かし、市の“玄関口”の風景を刷新していく。

 電子看板は、高さ180センチほどの外枠ケース内に縦長のモニター(縦約120センチ、横同70センチ)が収められている。同駅北口広場のタクシープールの周囲に6月末までに設置する計画。8台は間隔を空けて置かれるため、「横に広がって見える視覚効果が大きい」(市)という。

 一方、あつぎビジョンは北口広場向かいの商業施設「ミロード2」の壁面に設置されてから10年以上が経過し、画面がしだいに暗くなる経年劣化の懸念が生じていた。そこで市は16年度、同駅内の市の連絡所に電子看板4台を設置。市民の認知度も高いことから、さらに活用することにした。

 維持費はあつぎビジョンが年間700万円に対し、電子看板は8台で年間210万円の想定。あつぎビジョンを設置し直した場合、1億円の費用が必要になるが、電子看板は8台で2500万円の設置費用という。

 広告募集でも「画面が縦長の形状のため、ポスターなど静止画なら広告を出せるといったクライアントから広告を集めやすい」とみる。広告収入は、17年度が170万円弱の見通しに対し、広告枠の増枠なども図り、数年内に500万円まで上昇を見込む。

 市は「8台あるので映像の見せ方も工夫できる。機能性向上に加え、経済面でコストダウンなども期待でき、効果的なスクラップ・アンド・ビルド(廃止と新設)になると思う」とした。

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