STCC:王者ダールグレンのPWRレーシングが体制発表。女性ドライバーのコチュリンスキーが昇格

 2017年のSTCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権(TCRスカンジナビア)で、ドライバーズタイトルを獲得したロバート・ダールグレン擁するPWRレーシングが2018年の体制発表を行い、チーム代表のダニエル・ハグロフを筆頭に、ルーキーのフィリップ・モーリン、女性ドライバーのミカエラ・アーリン-コチュリンスキーを加えた4台体制でエントリーするとアナウンスした。

 昨季はPWRレーシングとして3台のセアト・レオンTCRを、そしてPWRレーシング・Jr.チームとしてアウディRS3 LMSを投入したPWRレーシングは、今季からマシンを新生“クプラ”ブランドの『セアト・クプラTCR』の4台体制で統一。Jr.チームに所属し、ドイツADAC GTマスターズとの掛け持ち参戦だったコチュリンスキーも、トップチームに昇格させることを決めた。

 昨季までのポーカー・ウォーレンバーグに代わってチームに加入した21歳のルーキー、モーリンはTTA規定最終年のSTCCにPWRレーシングからスポット参戦し、2ラウンドでクーペボディのオリジナルマシンであるセアト・レオンSTCCをドライブ。昨季はポルシェ・カレラカップ・スカンジナビアを戦っていた。

 一方、25歳でシリーズの紅一点であるコチュリンスキーも、昨年までのアウディから新型クプラにスイッチし、初のSTCCフルシーズンを戦うこととなった。

「これは私のキャリアにとって間違いなく大きなステップのひとつであり、現役のSTCCチャンピオンと同じチームでフルシーズンを戦えるのは本当に光栄なこと」と、メインチーム昇格を受け、意気込みを語ったコチュリンスキー。

「昨シーズンはまったく新しいクルマをドライビングすると同時に、これまでレースをしたことのない数多くのトラックを経験する学習の1年だったわ。その蓄積を活かして、今季はこのまったく新しいクプラ・ブランドとともに、私もチームも高い目標を掲げるシーズンになるはずよ」

 そして2017年シーズンのSTCCで21ラウンド中7勝をマークし、見事にTCR規定STCC初年度のチャンピオンに輝いた38歳のダールグレンも、STCC史上4人目、そしてTCR規定時代初の連覇に向け、ライバルからの挑戦を「受けて立つ」と述べた。

「昨年最終戦のマントープ・パークでフィニッシュラインを通過し、初めてのSTCCタイトルを決めた時から、僕はダブルチャンピオンになることだけを考えてここまでを過ごしてきたんだ」と、ダールグレン。

 STCCの歴史上で連覇を達成したのは、1996~97年にボルボS40をドライブしたヤン“フラッシュ”ニールセンと、2001~02年にクリストファーソン・モータースポーツ(KMS)のアウディA4のステアリングを握り、昨季はTCRインターナショナルにM1RAから参戦したロベルト・コルチアゴ、そして2004~05年にウェスト・コースト・レーシング(WCR)のBMW320siを走らせたリチャード・ゴランソンの3名だけ。

 この偉大な記録に肩を並べることこそが、今季のダールグレンの最大のミッションになるという。

「そうした数少ないドライバーたちの成功に並ぶために、僕のモチベーションはかつてないほどに高まっている。彼らの偉業に追いつくことは、僕のキャリアにとっても大きなマイルストーンになるだろう」 

「2017年が最高のシーズンだっただけに、その前提条件から戦いを始める難しさと厳しさも承知している。とくに今季は世界ラリークロス選手権王者のヨハン・クリストファーソンを筆頭に、競争力のあるライバルたちとフルシーズンに渡って、きわどい勝負が続くことになるだろう」と、展望を語るダールグレン。

 2018年のSTCCシーズンは、ダールグレン戴冠の地でもある5月5日のクヌットストープで幕を明ける。

© 株式会社三栄