日本画の魅力堪能を 横浜で「再興院展」

 今年10月に創立120周年を迎える日本画の研究団体、日本美術院による公募展「再興第102回院展」が、横浜駅東口のそごう美術館で開催中だ。伝統を受け継ぎながら、新境地に挑む日本画の魅力を堪能できる。26日まで。神奈川新聞社などの主催。

 同美術院は、横浜出身の岡倉天心が中心となって1898年に創立された。会場には、同美術院の同人や神奈川ゆかりの作家の作品など86点が並ぶ。

 同人で内閣総理大臣賞を受賞した小田野尚之さん=横浜市鶴見区=の「小さな駅」は、島根県を走るJR三江線をモチーフに、雪の降り積もる無人駅を描いた。今月末で廃線となるローカル線に寄せる温かな思いが感じられる。

 画面全体に金箔(きんぱく)を貼った上から岩絵の具で描いており、間近に見ると絵の具の下からのぞく鮮やかな金が分かる。

 同美術館の市塚寛子学芸員は「こういった微妙な絵の具や材料の表現は、実際にご覧いただかないと分かりにくいので、皆さまに足をお運びいただけたら」と来場を呼び掛けた。

 入館料は一般800円、高校・大学生600円。20日午前10時半から、院展作家を支援した実業家・原三渓ゆかりの美術品と庭園を見学する「三渓園ガイド付き鑑賞ツアー」を行う。参加費2千円。申し込み、問い合わせは同美術館電話045(465)5515。

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