被災ペコちゃん人形を設置へ 秦野、公園名は「ペコちゃん公園はだの」

 展示されていた宮城県内の店舗が津波で浸水してから7年−。東日本大震災で被災した不二家(本社・東京都)のペコちゃん人形が塗り直され、5月に秦野市平沢の中央こども公園にお目見えする。市内に工場がある縁で同社が公園のネーミングライツ(命名権)を獲得し、公園名も「ペコちゃん公園はだの」に。公園のシンボルとして再び活躍の場を得ることになった。

 市と同社によると、被災した人形はペコちゃんとボーイフレンドの「ポコちゃん」、犬の「ドッグ」の3体とお菓子の家。ペコちゃんの大きさは高さ123センチ、幅95センチ、奥行き70センチといい、「小さい人形はたくさん造ったが、こんなに大きいものは他にない」(同社)。

 震災では津波でレストランが浸水。客や従業員にけがはなかったが、人形は水をかぶった。店も営業できないため、同社最大の秦野市曽屋の秦野工場に移され、訪問客の歓迎用に玄関に置かれていた。

 同工場では主力商品の「カントリーマアム」の95%を生産しており、周辺では甘い香りが漂うほど。工場完成から今年で50周年となることを記念し、公園の命名権に応募した。公園はカルチャーパーク内にあり、命名権料は年間100万円で5年間。被災した人形3体とお菓子の家のほか、新造するなどした別の3体とともに設置する。

 同社によると、ペコちゃんの名を冠した公園は全国で初。グッズが高値で取引されるなど熱心なファンが大勢いる人気者だけに、市も「新たな観光名所になってほしい」と期待している。

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