電線用銅線の「アライ」、複合撚線機を増設

 電線用銅線メーカーのアライ(本社・埼玉県新座市、社長・新井佐千夫氏)は3月中に太物用の複合撚線機を増設する。自動車やロボット関連で需要が拡大する中で、納期対応力を高めることなどが狙い。投資金額は約2千万円となっている。

 同社では電線の導体に用いる銅線を加工し、電線メーカーに販売している。現在ロボットでは耐屈曲性の高い電線の、自動車では耐振動性の高い電線需要がそれぞれ好調。電線の特性を高めるために導体となる銅線の本数を多くすることから、電線用銅線のニーズは旺盛となっている。同社の生産ラインはフル稼働が続いており、「納期の短縮に向けて設備面でてこ入れする」(新井社長)考えだ。

 複合撚線機は一度撚り合わせた銅線を束ねて、さらに撚り合わせるために用いる設備。自動車やロボット向けをはじめとして、さまざまな分野向けに使用できる。同市の本社工場に今週中に増設機を導入し、調整が完了次第稼働させる予定となっている。増設により納期短縮に加え、今後の需要の伸びに応える増産余地の確保を目指す。

 自動車とロボットに加えて医療関連の需要も旺盛。同社ではニーズに応えるため設備投資を活発化しており、線の径を細める伸線機や、錫めっきラインなども増強している。

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