幸ケ谷公園ソメイヨシノ 43本に倒木の危険性 6月から植え替え着手 横浜市神奈川区

腐朽の進む幸ケ谷公園のソメイヨシノ

 桜の名所として名高い幸ケ谷公園のソメイヨシノについて、横浜市は昨年9月に実施した樹木医による診断の結果、相当数に倒木の可能性があることを発表した。市は6月から順次、樹勢回復が見込めない43本を伐採し、新たにジンダイアケボノ20本ほどを補植する予定だ。

 同公園には、敷地いっぱいに約100本の桜が植えられており、開花とともに一面サクラ色に彩られる区内有数の桜の名所だ。戦後間もなく、区役所に寄贈されたソメイヨシノの苗木を「何十年か後に桜の名所になれば」という地元住人の意向で植えたものと言われている。

 生育環境にもよるが、一般的にソメイヨシノの寿命は約60年。約70年前に植えられた同公園の桜は近年、幹が傷んだり、枝が落下したりするものが増えてきた。2012年には高さ15mの桜が倒木。折れた部分からは、直径10cmほどの「コフキタケ」というキノコが確認されている。

病害に強い品種へ

 そこで市は昨年9月、同公園内の桜に関して樹木医による診断を実施。その結果、43本に倒木などの危険性があり、公園利用者の安全を確保するためには、伐採せざるを得ないことが判明したほか、22本には腐朽部分について強剪定の必要性が指摘された。

 樹木医による診断結果を受け、市は6月から12月にかけて、回復が見込めない43本を伐採し、新たにジンダイアケボノという品種(高さ約4m)を植える方針を発表。この品種は比較的病害に強く、開花時期や花の形状がソメイヨシノに近い特徴がある。過密状態となることを避けるため、植樹する本数は20本ほどになる見込みだ。

 古木のソメイヨシノを楽しむのは今年が最後。担当する神奈川土木事務所では「近い将来ジンダイアケボノが大きくなり、きれいな花を咲かせるのを期待してください」と話している。

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