今季終了後にFA 強打者・ハーパーはどこへ行く?

球界最高のスター選手の一人であるブライス・ハーパー(ナショナルズ)は今季終了後にフリーエージェントとなる。実力と若さを兼ね備えたハーパーは歴代最高額となる総額4億ドル以上の契約を手にするのではないかとも言われているが、ハーパー争奪戦を制するのはいったいどのチームなのだろうか。MLB.comのマーク・フェインサンドは現段階での予想を公開している。

フェインサンドが真っ先に挙げたのは、現在ハーパーが所属しているナショナルズだ。フェインサンドはナショナルズがハーパーと再契約を結んだ場合、マックス・シャーザー、スティーブン・ストラスバーグ、ハーパーの3人で年俸が1億ドルを超えてしまうと指摘する一方、2010年にジェイソン・ワースと7年1億2600万ドルの大型契約を結んで球界を驚かせたことを例に挙げ、「ナショナルズがハーパーと再契約を結ぶ可能性を排除すべきでない」としている。ハーパーはチーム生え抜きのスター選手であり、ナショナルズが引き留めに全力を注ぐことは間違いないだろう。

ナショナルズ以外に名前が挙がったのは、可能性の高いほうから順にドジャース、カブス、フィリーズ、エンゼルス、ヤンキースの5球団。ドジャースとヤンキースは今季の年俸総額をぜいたく税のペナルティ対象となる上限金額以内に抑えて税率をリセットすることを目指し、今季終了後の大型補強に備えている。ドジャースは大黒柱のクレイトン・カーショウがオプトアウトの権利を行使してフリーエージェントとなる可能性があり、その場合にはカーショウの引き留めが最優先となるだろう。しかし、潤沢な資金を活用してハーパー獲得に動く可能性は否定できない。カブスはハーパーの幼なじみであるクリス・ブライアントがいることが強み。2023年まで契約が残っているジェイソン・ヘイワードの存在がハーパー獲得へのハードルとなるが、ヘイワードをセンターへコンバートすることも可能であり、それほど大きな問題にはならないだろう。再建期を脱しつつあるフィリーズは資金に大きな余裕があり、勝負モードへ転換するラストピースとしてハーパー獲得を狙う可能性がある。エンゼルスは資金的にはハーパー獲得も不可能ではないが、数年後にはマイク・トラウトのフリーエージェントが控えており、ハーパーとの大型契約を躊躇するかもしれない。そして、数ヶ月前まで本命と見られていたヤンキースは、ジャンカルロ・スタントンの加入によりハーパー獲得の可能性は低くなった。現在のチーム状況を考えると、ハーパーではなくマニー・マチャドがトップ・ターゲットとなる可能性が高い。

今季終了後、移籍市場においてハーパーが話題の中心となることは間違いない。今年10月に26歳となるスーパースターはどのような契約を手にするのか。まずはフリーエージェントを控えた今季のハーパーが、チームを球団史上初のワールドシリーズ制覇へ導くような大活躍を見せてくれることを期待したい。

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