水でも飲むカァ〜 蛇口回し、器用にゴクゴク

 横浜市南区の弘明寺公園(京急線弘明寺駅近く)の水飲み場で、くちばしを器用に使って蛇口のハンドルを回し、渇きを潤すカラスが目撃されている。春の訪れに合わせ、姿を見せる頻度が増えているといい、専門家も「高度な技術が必要で珍しい事例」と注目する。

 ぽかぽか陽気の12日の昼下がり。同公園の展望台近くの水飲み場に1羽のカラスが降り立った。慣れた様子で蛇口のハンドルを“コンコン”とつつくと、直後に水が出始めた。

 近隣住民によると、このカラスは同公園で2年ほど前から目撃されるようになった。ハンドルを回せるのは特定の1羽だけとの証言もあり、同公園を毎日のように訪れるという女性(63)は「カラスが水を飲みやすいようにハンドルはきつく閉めない」と話す。

 鳥類に詳しい東大の樋口広芳名誉教授は「カラスの中でも知能が高いハシボソガラスとみられる。人のやり方をまねて、水を出す技術を編み出した可能性がある」と分析する。

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