カネミ油症50年 長崎県 検診アンケート実施へ 新年度 秋は庁舎で資料展示も

 長崎県は13日、カネミ油症事件の被害者が受診する油症検診に関するアンケートを、認定、未認定の患者約600人に対し新年度実施することを明らかにした。また、今年で発覚50年となる同事件を県民の記憶に残そうと今秋、県庁1階で書籍や写真などの油症関連資料を展示する方針。
 県議会一般質問で、山口経正議員(自民・県民会議)の質問に、木村伸次郎県民生活部長が答えた。
 認定患者の健康状態を調べ、未認定患者の認定診査にもつながる油症検診は、県が全国油症治療研究班(事務局・九州大)の委託を受け、五島市玉之浦、奈留両町、長崎市で毎年実施。県は本年度、認定451人、未認定151人に案内を送付し、195人が受診した。受診率は32・4%。
 アンケートは、受診しなかった理由、受診しやすい方法などの質問項目を設定。検診の環境を改善し、より多く受診してもらい、診断データの蓄積による治療法の解明につなげるのが狙い。アンケート用紙は、認定患者には4月の健康実態調査と併せて送付。過去に受診したことがある未認定患者には6、7月ごろ検診案内とともに送る。結果を踏まえ、検診場所なども再検討する考え。
 木村部長は、五島市が計画する事件発生50年事業にも触れ「事業への支援は市の意向を踏まえ対応したい」と述べた。

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