湯河原出身鈴木崇弘さん 有名オーケストラで活躍 箱根町・湯河原町・真鶴町

バストロンボーンを奏でる鈴木さん

 湯河原中学校出身のバストロンボーン奏者・鈴木崇弘さん(24)が小田原市民会館で3月30日(金)に開催される大磯高校吹奏楽部の定期演奏会に出演する。これまでにNHK交響楽団や東京フィルハーモニー交響楽団など全国各地のオーケストラに加わっており、湯河原近隣で演奏が聴けるチャンスは多くない。

一度やめかけた吹奏楽部

 鈴木さんは湯河原小学校時代に妹とピアノ教室に通い始め、湯河原中学校時代は校歌などのピアノ伴奏をしていた。トロンボーンを手にしたのは吹奏楽部に入ってから。その頃は男子部員が鈴木さんだけで、仲間とコミュニケーションがとれず退部を考えていたが、当時顧問だった羽入田幸恵さん(現・箱根中学校)の人柄にふれて思いとどまり、後輩指導の役割を通じて居場所を固めていった。楽器はテナートロンボーンから、ずっしりと重い「バストロンボーン」に持ち替え、低音域の深みにも挑戦。その後、大磯高校を経て難関の東京芸大に進み、在学中にドイツでの演奏コンテストで優勝するなど高い評価を受けるようになった。

 現在はフリー演奏家として活動している。細長い指にできた「演奏だこ」は、部活時代から消えることはない。小田原での演奏を前に「何事も経験、やりたい事を何でもやれ」と小さい頃から後押ししてくれた両親に感謝を語った。父の雅之さんは現在、地域作業所たんぽぽの所長を務めている。30日の演奏会で鈴木さんは後輩たちとスパーク作曲の「宇宙の音楽」などを披露。緩急のある表情豊かな曲でベース部分を担当する予定。時間は5時開場、5時半開演で入場無料。
 

指揮者の横で演奏する=2016年・上野で

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