【非鉄製錬大手の春季交渉】住友鉱山が満額回答3500円、DOWAHDは1000円回答

 18年春季交渉の集中回答日である14日、非鉄製錬各社も労働組合に回答を示した。14日に回答した3社のうち、住友金属鉱山、DOWAホールディングスの2社が賃金改善を実施すると回答。住友金属鉱山は3500円の引き上げ要求に満額回答で応えた。年間一時金では要求交渉方式を採用する住友金属鉱山が前年実績(162万円と特別一時金1万円)を上回る181万円と特別一時金3万円と回答した。

 非鉄金属価格の上昇などで各社業績に追い風が吹く中で迎えた今春闘では、4社(三菱マテリアル、住友金属鉱山、三井金属、DOWAホールディングス)の労組が18年度に3500円の賃金改善を要求。JX金属の労組も3910円の引き上げを求めた。このうち、3年ぶりの賃金改善実施となる住友金属鉱山は満額回答で応えた。16年度、17年度は非鉄金属価格の低迷やチリの銅鉱山における減損損失の計上などで賃金改善の実施を見送っていた。

 DOWAホールディングスは3500円の要求に対し、1千円の引き上げと回答。一方、三井金属は業績が改善傾向にあるものの、先行きに不透明感が残るとして今春闘での賃金改善を見送った。JX金属は15日に回答する予定。

 また、三菱マテリアルは子会社による品質不正問題を受け、今月に予定している特別調査委員会の最終報告を待った上で労使協議を行う予定。

 非鉄製錬大手も属する基幹労連は、重要な労働条件を隔年で交渉する「2年サイクル春闘」を採用しているが、前回の16年春闘から業種により単年度要求・単年度交渉を許容。非鉄製錬大手は18年春闘でも前回に続き単年度要求・単年度交渉を行っており、19年度については基幹労連・部門方針に基づき、3500円以上を基本に別途検討する方針。

© 株式会社鉄鋼新聞社