15日11:00、福岡管区気象台・鹿児島地方気象台は、宮崎・鹿児島県境の霧島山(新燃岳)について、溶岩の噴出は概ね停止したなどとして、火口周辺警報を切替発表し、噴火警戒レベル3(入山規制)を継続したまま、警戒する範囲をこれまでの火口から概ね4kmから概ね3kmに縮小しました。
気象台では、火口から概ね3kmまでの範囲では弾道を描いて飛散する大きな噴石に、火口から概ね2kmまでの範囲では火砕流に警戒するとともに、火山灰や空振などに注意するよう呼びかけています。
霧島山(新燃岳)では、3月6日から爆発的噴火が断続的に発生し、10日には噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石が火口から1800mまで達したことから、警戒する範囲を火口から概ね4kmに拡大していましたが、その後さらなる噴火活動の活発化は認められていません。高千穂河原観測点の傾斜計で9日18:00頃からみられていた、新燃岳方向がわずかに隆起する傾斜変動は、12日頃から停滞しています。10日まで1日あたり100回以上と非常に多い状態となっていた低周波地震も、11日から減少しています。7日に1日あたり34000tと急増した火山ガス(二酸化硫黄)の放出量はその後、1000t程度で経過しています。衛星からの観測では、9日には溶岩の噴出は概ね停止したとみられます。
■防災上の注意点
【火山性地震、火山性微動、爆発的噴火等の発生回数】(速報値含む)
火山性地震 火山性微動 爆発的噴火
02/28 65回 2回
03/01 183回 継続
/02 101回 継続
/03 213回 継続
/04 320回 継続
/05 151回 継続
/06 517回 継続 18回
/07 799回 継続 16回
/08 221回 3回
/09 229回 13回 1回
/10 342回 17回 5回
/11 166回 3回 2回
/12 219回 5回 3回
/13 205回 6回
/14 213回 6回
/15(00~15時) 128回 2回 1回
【1日の火山ガス(二酸化硫黄)の放出量、火口外への溶岩流下距離】
火山ガス放出量 溶岩流下距離
03/02 2200t
/07 34000t
/09 1100t
/10 900t 約6m
/11 800t 約10m
/12 1300t 約6m
/13 800t 約10m
/14 約6m
/15 600t 約4m(9日以降約42m流下)
【火口周辺での警戒が必要な市町村】
・宮崎県 :小林市、高原町 (都城市、えびの市は対象外に)
・鹿児島県:霧島市
【警戒・注意事項】
・警戒:(火口から概ね3kmまで)弾道を描いて飛散する大きな噴石/(火口から概ね2kmまで)火砕流
・注意:(風下側)火山灰、小さな噴石(火山れき)、火山ガス/空振による窓ガラスの破損/降雨時の土石流