「気持ちが和らぐ写真選んだ」 九十九島の風景など展示 佐世保署で鴨川さん

 佐世保署で色とりどりの風景写真が来署者を出迎えている。撮影したのは業務を通じ風景撮影の魅力に引かれた県警機動鑑識隊の鴨川貞雄さん(57)。「気持ちが和らぐような色づかいの景色を選んだ。少し固い警察のイメージを変えられればうれしい」と話す。
 海を進む遊覧船と列をなして飛ぶ鳥の影が印象的な夕暮れの九十九島や、雨にぬれた石橋を彩る満開の桜。「家に置いておくより人に見てもらいたい」。自ら展示を提案し、休日に撮りためた写真の中から約20枚を選び、ロビーや階段に飾ってもらった。
 カメラを扱うようになったのは鑑識の仕事を始めてから。昼夜問わずに発生する事件や事故の行き帰り、夕焼けや朝焼けなどの美しさに心が癒やされた。
 「写真を好きになれ」。そんな上司の教えもあり休日もカメラを担ぐように。自然が相手の風景写真。思うような構図や色を出せないこともあるが「自分だけの美しい風景を見つけたときには感動する」。
 普段はなじみがない人が多く、事件や事故の被害に遭った人も訪れる警察署。「警察にもこんなことをしている人がいるんだと、親しみを感じてほしい」と笑みをこぼした。

「気持ちが和らぐ写真を選んだ」と話す鴨川さん=佐世保署

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