諫干農地の勾配を補正 排水対策事業が本格化

 国営諫早湾干拓事業で造成された干拓農地の排水不良問題を受け、農地を管理する県農業振興公社は、水はけを良くするため、農地に勾配をつける作業に着手した。同公社の調査で勾配の変化が認められた5区画26・2ヘクタールが対象。収穫期などの合間に行い、8月ごろまでに完了する予定。
 干拓農地は中央、小江の両干拓地の約666ヘクタールに約40経営体が入植。水はけの悪さが原因で農作物の生育不良を訴える声が上がっていた。同公社は昨年度から、営農者への聞き取りや航空測量調査を実施。今年1月、排水対策などの実施計画を策定し、順次作業に入っている。
 中央干拓地の1区画(5・9ヘクタール)の排水対策作業を14日に開始。東西の両端が10センチ差となるように、大型機械「レーザーレベラー」で緩やかな勾配をつけながら整地作業を行った。同公社によると、勾配を補正することで、降雨後に農地の表面に発生する水だまりが解消されるという。
 同公社は12区画(73・4ヘクタール)の排水用地下水路が劣化しているのも確認、既存の水路と別の位置に新しい水路を設置する工事にも新年度、着手する。

レーザーレベラーで農地の傾斜をつける作業=諫早市、中央干拓地

© 株式会社長崎新聞社