窓口集約し道路も整備 厚木市庁舎建て替えで議論

 公募市民や学識経験者らが厚木市庁舎の建て替えを議論する「市庁舎建設等検討委員会」が15日、同市役所で開かれた。小田急線本厚木駅前の「中町第2−2地区」を移転先の優先候補地として、建物の規模や周辺の道路整備、基本理念などの議論が本格化。同駅から徒歩8分ほど離れた現市庁舎周辺ではなく、駅前地区を軸に、5月ごろまで議論を重ねて報告書をまとめる。

 5回目となったこの日の会合では、駅前地区に整備する場合の新庁舎の在り方に関する議論を実施。規模は近隣自治体などの実態を踏まえ、延べ床面積2万1千平方メートルと想定した。現在、本庁舎と第2庁舎で窓口が分散しているが、新庁舎では1階に窓口を集約し、ワンストップ行政サービスの導入を計画する。

 商業施設が多く立ち並ぶ駅前地区周辺の道路混雑の緩和に向け、地区の東西を走る県道酒井金田線、県道本厚木停車場線の間を結ぶ市道の新規路線を設けるなどの対策案にも言及した。整備手法は、それぞれの選択肢のメリット、デメリットを確認した。

 今後のスケジュール案として市が2018年度に基本構想、基本計画を策定。基本設計策定などを経て22年度に着工、24〜25年度の新庁舎完成、移転を見込む日程が目安として挙がった。

 市庁舎の建て替えは、建物の老朽化や窓口が分散している現状を踏まえて、以前から検討課題とされてきた。ところが、自治体庁舎が損壊し行政機能を失うケースが相次いだ16年4月の熊本地震を機に議論が加速。17年3月に有識者らでつくる市公共施設最適化検討委員会が「最重要課題と位置付け、早期検討が必要」と提言。提言を受けて同年7月に市庁舎建設等検討委員会が設置された。

 同検討委は新庁舎の候補地について「中心市街地内で大幅な用地取得費を伴わない場所」との考え方から「現庁舎敷地周辺」と駅前の「中町第2−2地区」などを検討。昨年12月、複合施設化を図ることで中心市街地の活性化に寄与できるなどとして、駅前地区を優先候補地に決めていた。

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