長崎県対馬市上対馬町の市立豊小(吉冨務校長)で16日、卒業式があり、ただ一人の6年生、武末舞亜(まいあ)さん(12)が、後輩22人や地域の人に見守られながら思い出の学びやを巣立った。
豊小は1874(明治7)年創立。対馬最北端にあり、1960年代は120人ほどいたが、近年は少子化や過疎化の影響を受けている。武末さんが2012年に入学した時の同級生は2人。しかし、4年生の3学期からは同学年に一人だけとなったという。
式には、保護者や地域住民ら約60人が出席した。吉冨校長が「はつらつとした行動と、優しい笑顔は豊小のシンボルでした。ふるさとを誇りに思い、学んだことを生かしてほしい」と式辞を述べた。
夢は幼稚園の先生。下級生に絵本の読み聞かせをするなど、心優しいリーダーとして活躍してきた武末さん。家族の転勤で春からは福岡県内の中学校に通う。卒業証書を受け取った武末さんは「知らない人ばかりの中学は不安だけど、たくさん友達をつくります」と力強くあいさつした。
式後は、全校児童が花輪のアーチで武末さんを送り出した。
思い出の学びや巣立つ 対馬・豊小 一人だけの卒業式
- Published
- 2018/03/17 00:35 (JST)
- Updated
- 2018/12/10 14:29 (JST)
© 株式会社長崎新聞社