【MLB】野球と音楽をつなぐドラマー、オカモト“MOBY”タクヤ氏が今季MLBを予想【ナ編】

ロックバンド「SCOOBIE DO」のドラマー兼マネージャー、オカモト“MOBY”タクヤ氏

東地区はナショナルズの1強、メッツは先発投手次第?

 今季は3月29日(日本時間30日)に30球団が揃って開幕を迎えるメジャーリーグ。世界一を目指す新たな戦いの始まりを目前に、各球団は最終調整に入っている。

 Full-Countでは、今季からFMおだわらで放送中の野球と音楽をつなげるラジオ「NO BASEBALL, NO LIFE.」とコラボし、野球の面白さをより幅広い層に伝えていくことになった。そこで今回は、放送7年目を迎える「NO BASEBALL, NO LIFE.」でメインMCを務めるロックバンド「SCOOBIE DO」のドラマー兼マネージャー、オカモト“MOBY”タクヤ氏に、今季MLBのペナントレースの行方を占ってもらった。

 カブスの大ファンでもあるオカモト氏は、動画配信サービス「DAZN」のメジャー中継で解説を務めるほどのメジャー通。カブスが108年ぶり世界一に輝いた2016年には、本拠地シカゴでワールドシリーズ観戦を果たしたオカモト氏は、どんなシーズンを予測するのだろうか。

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 史上稀に見る停滞ぶりを見せたFA市場も、ようやく未契約だった主要選手の移籍先が決まり始めました。マイク・ムスタカスはロイヤルズと再契約、カルロス・ゴンザレスはロッキーズと再契約、ジョナサン・ルクロイはアスレチックス、ランス・リンはツインズ、そして最大の目玉であったジェイク・アリエッタはフィリーズ。アレックス・コブをはじめ、まだまだ選手は残っていますが、チームごとの戦力は大方見えてきました。それではナ・リーグの予想、いってみましょう。

【東地区】
ナショナルズの1強は今季も続きそう。カブス監督ジョー・マドンの懐刀としてレイズ→カブスでベンチコーチを務めていたデーブ・マルティネスが新監督に就任。先発陣は万全、昨季途中にブルペンも強化し、外野手アダム・イートンも復帰します。捕手が少々不安ですが、今オフFAになるブライス・ハーパーが事実上のラストイヤーということもあり、前身モントリオール・エクスポズ時代からの悲願達成は叶うでしょうか。メッツは毎年怪我に悩まされる豪華先発陣が健康に過ごせるかにかかります。ブルペンもタレント豊富、野手もベテラン3選手を補強し、若手も成長すれば昨季より上向きに。

 他の3球団は相変わらず厳しい情勢で、特にマーリンズはデレク・ジーターCEOが主力選手のファイヤーセールを敢行し、チーム再建を開始。残った田澤純一も今年が正念場です。一方、フィリーズはアリエッタとカルロス・サンタナを獲得。昨季ブレイクしたリース・ホスキンスなど若手が育ち始めたチームの方向性は明るく、新監督ゲイブ・キャプラー(元巨人)の采配次第では化学反応が起こる可能性も。ブレーブスはまだまだタレント不足で若手を成長させながらのシーズンですが、『Baseball America』のチーム別プロスペクト・ランキングでは全30球団中1位、来年以降へ繋げる重要な年にしたいところです。

中地区はカブスをブルワーズ、カージナルスが猛追

【中地区】
 過去3年ともリーグ優勝決定シリーズまで進んだのは全30球団中カブスのみ。今年も地区優勝候補の筆頭です。先発2名とクローザーが抜けたものの、ダルビッシュ有を含む好投手4名を獲得。ただクローザーがまだ決まってないのが大きな不安材料。野手陣は相変わらず主力のうち20代が9人。注目はオフに鍛え抜いてダイエットに成功したカイル・シュワーバー。攻守ともに向上すれば野手陣のピースは揃います。懸案事項はここ2年全く打てないジェイソン・ヘイワードと、マドン野球の象徴ベン・ゾブリストの衰えでしょうか。

 そのカブスを追いかける2チームも追撃態勢に入りました。特に昨季大躍進のブルワーズは低予算球団ながらも積極的かつ効果的な補強に成功。クリスチャン・イエリッチ、ロレンゾ・ケインを獲得し、打線は非常にバランスが良くなり、外野守備も明らかに向上するでしょう。投手陣も先発は肩の故障で6月に復帰するジミー・ネルソンが復帰すれば駒は揃いますが、ブルペンは昨季から登板過多のコリー・クネイベルが今季もフル稼働できるか心配です。豊富なプロスペクトを使って7月のトレードで更なる大物を獲得すれば、カブスを凌駕する可能性もあります。

 カージナルスも野手はマルセル・オズーナを、投手陣は先発のマイルズ・マイコラス(元巨人)とリリーフのルーク・グレガーソンを獲得。昨季急成長したポール・デヨングとトミー・ファムを含む野手陣、6月にアレックス・レイエスが復帰する先発陣は、それぞれ整いつつありますがブルペンはタレント不足が否めません。チームの至宝アンドリュー・マカッチェン、エースのゲリット・コールを放出したパイレーツと、再建モード真っ只中なレッズは蚊帳の外でしょうね。

西地区はドジャース、ダイヤモンドバックス、ロッキーズの3強混戦か

【西地区】
 昨季はポストシーズンに3チームが進出、今季も激戦必至です。ドジャースは今季も世界一の候補であることは間違いありません。来年以降の補強資金を踏まえ今季の補強はおとなしく、かつカブスにダルビッシュとブランドン・モローを引き抜かれ、数少ない補強選手だったロングリリーフのトム・コーラーが開幕絶望。先発陣は依然としてクレイトン・カーショーを中心に盤石、控え含めた打線も不動な布陣ですが、昨季29年かけて辿り着いた世界一奪回のチャンスを「あと1勝」で逃したことに、今後取り憑かれる気がするような……。

 そのドジャース含め同地区全球団に勝ち越し、就任1年目のロブロ監督(元ヤクルト)が最優秀監督賞を受賞したダイヤモンドバックスは、特に先発陣がザック・グリンキーを筆頭に素晴らしい布陣ですが、問題はブルペン。平野佳寿はどの役割を受け持つにせよキーマンの1人となるでしょう。FAで抜けた穴をしっかり補強しているので野手も戦力は維持。一方でポストシーズンに進出した翌年はあまりいい成績を残していないデータがあるので、今年は……。

 ロッキーズはオフに積極補強に出ました。元々打線は超強力、そこにフレーミングに長ける捕手クリス・アイアネッタを獲得。若い先発陣を上手くリードすれば、セットアップに獲得したブライアン・ショウ、クローザーに獲得したウェイド・デービスまで繋げ、ドジャースを追撃できるかも。昨年まさかの最下位だったジャイアンツは、前所属球団の顔だったエバン・ロンゴリアとアンドリュー・マカッチェン、さらに堅守巧打の外野手オースティン・ジャクソンを獲得し、野手陣は戦力が整いました。一方投手陣はほぼ補強なし。昨季故障に苦しんだマディソン・バムガーナーとジョニー・クエト頼みでは苦しいかも。再建中のパドレスは世界一経験者のエリック・ホズマーを8年契約で獲得。他にも再建モードのチームに最適な「若手の見本」的ベテランを3選手獲得し、若手を育てながら来年以降へ繋ぐ重要な年になるでしょう。アンダースロー牧田和久の活躍にも期待が高まります。

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 順当にいけば、ナ・リーグは2年ぶりの世界一を目指すカブス、30年ぶり世界一にかけるドジャース、そして東地区で圧倒するナショナルズが頂点争いを繰り広げそうだ。最終的なシーズン予想は、27日に渋谷LOFT9 Shibuyaで行われる「NO MLB, NO LIFE~2018 MLB開幕直前スペシャル」で出演ゲストらと共に語る予定だという。イベント詳細は下記の通りだ。

 今季もペナントレースの行方が楽しみなメジャーリーグ。開幕が待ちきれない。

●プロフィール
オカモト“MOBY”タクヤ(SCOOBIE DO)
“LIVE CHAMP”の異名を持つロックバンド、SCOOBIE DOのドラマー兼マネージャー。ドラマーとして様々なアーティストのレコーディングに参加。また動画配信サービス「DAZN」でのMLB解説を始め、野球と音楽がテーマのラジオ番組・FMおだわら「NO BASEBALL, NO LIFE.」ではMCを担当。DJ、MLB関連のコラム、酒場コラムやラーメンコラムの執筆、クイズ作家、香港政府観光局公認「超級香港迷(=スーパー香港マニア)」。

(Full-Count編集部)

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