理想の上司 松岡修造さん、明石家さんまさん 理想の部下は土屋太鳳さん 長崎県内の就活生50人に聞く

 来春卒業予定の大学生らに対する会社説明会が今月解禁され、就職活動がスタートした。夢や理想を追い求める就活生が一緒に働きたいと思う上司とは、企業側から求められていると思う部下とは-。8日に長崎市内であった合同企業説明会で学生50人に、イメージする有名人を聞いてみた。
 理想の上司は、元プロテニス選手の松岡修造さんと芸人の明石家さんまさんが4票ずつ集め1位となった。松岡さんを選んだ女子(21)は「モチベーションを上げてくれる」、医療メーカー志望の男子(21)は「悩みや相談に本気で答えてくれそう」と熱血指導を望んだ。さんまさんの支持理由は「楽しく働けそう」「常に前向き」など。航空会社志望の女子(18)は「明るく励ましてくれて、失敗しても次頑張れる」とした。入社3年目の記者(25)も「裏表がなさそう」なので賛同したい。
 2位は「いろいろな相談に乗ってくれそう」「かわいい」といった女優の石原さとみさん、「優しさが目に見えるようで安心する」などの理由で芸人の内村光良さんが3票ずつ。人当たりの柔らかさが受け入れられたようだ。
 3位は7人で各2票。マスコミや広告を志望する女子(21)は「格好良くて頼りになりそう」と俳優の西島秀俊さんを挙げた。タレントのマツコ・デラックスさんを選んだ公務員志望の女子(21)は「ぐさっとくる言葉は多い。でも自分のためを思って発言してくれそう」と言う。
 名前が出た計33人は、積極的に助言や指導をしてくれそうな人が多い。「最近の若者は飲みに誘っても来ない」なんて世間では言われても、上司との活発なコミュニケーションを望んでいる人は意外と多いのかもしれない。
 一方、企業側の視点に立って理想の部下を挙げてもらうと、女優の土屋太鳳さんが4票でトップ。「何でも全力で頑張る」「明るく素直」「メリハリがあり、しっかり行動できそう」などの声が寄せられた。
 2位は「思い浮かばない」が3票。「上司の指示を理解して動く人」「前向きに頑張る人」など想像を膨らませるが、悩んだ末に選べなかった。
 3位は8人で各2票。メーカー希望の男子(20)は「努力で何でもできそう」とフィギュアスケート選手の羽生結弦さんを挙げた。芸人の、あばれる君と答えた総合職希望の男子(20)は「能力が最初はなくても、能力を得るために努力を惜しまなそう」と回答した。
 計36人の候補が挙がり、お笑いコンビ「アンジャッシュ」の渡部建さんのように「食べ物のおいしい店を知っているから」と即戦力を重視する声も。素直さや“よいしょ”のうまさなど理想の部下のイメージは幅広かった。記者なら何でも挑戦する芸人のイモトアヤコを推す。
 ちなみに、同じ会場で企業の採用担当者10人に理想の部下を尋ねると、意見は割れた。「新しい道を切り開く存在」という羽生結弦さん、「ふわっとした雰囲気。職場が盛り上がりそう」なタレントの滝沢カレンさん。俳優の岡田将生さんは「少しおばかなところが憎めない」という。
 職場はさまざまな人の集合体。多くの学生が真剣に悩んで答えてくれたが、就職活動もあまり理想にこだわらず、等身大でぶつかってみるのが一番いいかも。

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