壁画、色鮮やかに復元 厚木の東名高架下、住民ら汗

 厚木市岡田の東名高速道路の高架下に描かれた壁画が17日、地域住民らの手で新たに塗り直された。壁画は17年ほど前に地元・市立相川中学校(同市酒井)の生徒たちが手掛けたもので幅約40メートルに上る大作。年月とともに色あせなどが進行し、「きれいに維持し続けることが景観美化や落書き防止にもなる」(同市)と塗り直した。同市と中日本高速道路の共催。

 地元自治会やPTA、県塗装協会などが協力し、約30人で作業を実施。サクラやヒマワリ、モミジといった四季折々の自然が描かれた元の絵の上にブラシなどで慎重に塗料を塗り重ねた。2時間余りで作業が完了、色鮮やかに復元された。

 作業に参加した相川地区自治会連絡協議会の菊池美明会長は、「壁画のおかげでこれまで落書きされたことがなかった。当時の中学生の思いを受け継ごうと消さずに塗り直した。壁画を見続けられる楽しみが増えた。今後も大切にしていきたい」と述べた。

 小学4年生の児童(10)=同市酒井=は、「手が届かない場所はお父さんに肩車してもらった。色を塗るのが楽しかった」と話した。

 市によると、市内の高速道路の高架下には複数箇所で児童・生徒が手掛けた壁画があるが、壁画の塗り直しは今回が初の試みという。

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