真相解明に思惑交錯 森友文書改ざんで県内議員

 学校法人「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書改ざん問題で、県内の与野党議員が真相解明や再発防止の動きを活発化させている。ただ、安倍晋三首相周辺の関与に迫りたい野党側に対し、自民党は財務官僚の問題にとどめたい意図も見え隠れする。

 「改ざんが本当に単なる行政の中の判断として行われたのか」。希望の党の行政改革・情報公開推進本部が16日に国会内で開いた勉強会。議論は現行の公文書管理の問題点から、官邸が府省庁の幹部人事を一元的に管理する内閣人事局発足以降の政治家と官僚との関係性にまで及んだ。

 本部長を務める後藤祐一氏(衆院比例南関東)は「『政と官』の関係について、深い議論が必要だ」と発言。この日をキックオフと位置付け、近く公文書改ざんに対する再発防止の方向性を示す。

 立憲民主党も同日、森友・加計問題の追及を続けるプロジェクトチーム(PT)が会合を開催。事務局長を務める阿部知子氏(衆院12区)らが財務省の担当者に事実関係をただした。

 一方、劣勢の与党も信頼回復に向けて動く。自民はこの日、改ざん問題を受けて新設したPTが国会内で初会合。今後、改ざんを巡る事実関係を調査し、公文書の取り扱いに関する方向性を打ち出すという。

 非公開で行われた会合の終了後、メンバーの星野剛士氏(衆院比例南関東)は「真相解明と再発防止が大切」と表情を引き締めた。

 今後は、改ざんが誰の指示で、何の目的があったのかが焦点になる。野党は改ざんを官邸による「政治的圧力」の結果とにらむのに対し、自民は首相出身派閥の細田派議員が「官僚主導で書き換えられたなら財務相への冒とくだ」と指摘するなど、あくまで官僚の責任としたい空気も漂う。佐川宣寿前国税庁長官の国会招致が実現しても、与野党それぞれの思惑が交錯する中での審議となりそうだ。

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