誰もが輝ける社会を パラリンピアンが特別授業

 2000年のシドニーパラリンピック・男子車いすバスケットボールで主将を務めた根木慎志さん(53)が15日、川崎市幸区の市立御幸中学校で特別授業を行った。「障害は社会がつくるもの。みんなが助け合えば、障害はなくなっていく」と誰もが輝ける社会への思いを語った。

 20年の東京パラリンピックの成功と、パラスポーツ(障害者スポーツ)振興を目的とした「あすチャレ!スクール」の一環。この日は、1年生約250人が参加した。

 高校時代の交通事故で脊髄を損傷し、車いすバスケを始めた根木さん。現在開催されている平昌パラリンピックの話題に触れながら、応援される気持ちや、夢と目標をかなえるために笑顔でチャレンジする大切さを伝えた。また、持ち込まれた車いすを使って生徒や教員らも車いすバスケを体験し、競技の面白さを味わった。前原優大さん(13)は「事故で暗い未来だったかもしれない中で新しいことに挑戦し、道を切り開いた話はとてもためになった」と目を輝かせた。

 17年度だけで100を超える講演をするなど、全国を回って多様性を認めることを優しく訴える根木さんは「誰もが違うことを認めて輝く社会へ、何かを考えるきっかけとなってほしい」と願っていた。

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