乳児の睡眠中事故防げ 全国初、大和市が無呼吸アラーム配布

 大和市は睡眠中の乳児が無呼吸になった場合に警報音を鳴らして知らせる機器を2018年度中に市内全保育施設に配布する。乳児が突然死する事故の防止が目的で、異変の早期発見につなげる。同市によると、こうした「無呼吸アラーム」と呼ばれる種類の機器を自治体が購入し、全保育施設に配るのは全国で初めて。

 無呼吸アラームは、息を吸ったときと吐いたときの圧力の差で呼吸の有無を関知し、動きが一定時間止まった場合や一定回数以下になった場合、警報音とランプで異常を知らせる。乳児用の敷布団の下に置いて利用する。

 配布先は公立保育所、認可保育所、認可外保育所など市内約80の保育施設。対象は0歳児で、段階的に約400台を購入、配布する見通し。市は事業費として18年度当初予算案に3240万円を計上した。

 保育士が乳児と同室にいる前提で補助機能として活用していきたい考えで、施設側の安全環境の整備、保育士の心理的負担の低減を目指す。

 市では03年度から、業者からレンタルした無呼吸アラームを公立保育所ですでに活用している。市ほいく課は「保護者が安心して子どもを預けられる環境を整えたい」と話している。

 内閣府が取りまとめている「教育・保育施設等における事故報告集計」によると、16年の乳幼児の死亡事故件数は13件で、このうち0歳児が7件だった。死亡事故発生時の状況では10件が睡眠中だった。

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