自治会のヒーロー全国へ 柔道・長谷川隼斗君 茅ヶ崎市

相洋高(小田原)で練習に励む長谷川君

 相洋高校の長谷川隼斗君(2年)=下町屋在住=が、3月20日(火)に日本武道館で開催される「全国高等学校柔道選手権大会」に出場する。66kg級の神奈川代表選手を、地元の自治会も応援している。

 各都道府県で階級ごとに1枚ずつしか与えられない全国大会への切符。昨年11月に手首を故障し、1月の県予選に万全の状態ではない中挑んだ長谷川君だったが、持ち前の”攻めの柔道”を貫き神奈川の頂点に登りつめた。

 ハイライトは、全国屈指の強豪校・桐蔭学園の選手との決勝戦。両者一歩も譲らない一戦は、3分間では決着がつかず延長戦へ。攻撃の手を緩めない長谷川君は、相手が消極的に仕掛けてきた技を『大内返し』。一本勝ちと見られたがビデオ判定となり、2分間におよぶ協議の末、長谷川君の優勝が決まった。「ほっとした。みんなが応援してくれたことが力になった」と周囲への感謝を口にした。

 5歳から柔道を始め、小学6年生以来の全国大会出場を手繰り寄せた長谷川君に、近所の人からも喜びの声があがった。

体育祭で大活躍

 「彼はうちの自治会のヒーローなんですよ」。そう声を弾ませるのは、長谷川君が暮らす『ホームタウン自治会』の自治会長・増森鉄兵さん(74)だ。

 2016年10月、19自治会による鶴嶺地区体育祭で、長谷川君は大車輪の活躍を見せた。300世帯が加入するホームタウン自治会だが、世帯主の平均年齢はおよそ70歳。母親に誘われ、数少ない若手として長谷川君はホームタウンチームを牽引。綱引きに二人三脚、むかで競走、リレーに出場してチームの得点を稼ぎ、約30年前の自治会結成以来、初の優勝を果たした。

 その時の表彰状は金縁の額に入れて、今でも集会所に飾られている。自治会に活気を与えた高校生の全国大会出場を知った増森さんは、「この自治会から全国レベルの選手が出たのは初めてだと思う。いい成績が残せるよう願っている」とエールを送った。

 全国大会に向け長谷川君は、「いつも通り攻めの柔道で楽しみたい」と語る。大会直前には恒例となったチームメートによる五厘刈りで頭を丸め、大舞台に立つ。

エールを送る増森さん(左)

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