【「復興『ありがとう』ホストタウン」の釜石】ファーディー氏(元釜石シーウェイブス)が市民と交流

 東京2020オリンピック・パラリンピック開催に向け、政府が進める東日本大震災被災地での海外交流事業「復興『ありがとう』ホストタウン事業」に選出された岩手県釜石市でこのほど、元釜石シーウェイブスのスコット・ファーディー氏が6年半ぶりに釜石を訪問、子供たちや市民と交流した。

 震災当時に釜石シーウェイブスに所属し、後にラグビーオーストラリア代表となったファーディー氏は、大使館からの避難勧奨を断り、ボランティアとしてチームメイトとともに救援物資の搬送作業に従事した経験を持つ。

 当日は小佐野小学校を訪問し、6年生児童60人と1時間にわたりタグラグビーで交流。最後は児童からのメッセージボールと自らのサインボールを交換した。その後、2019年ラグビーW杯で2試合開催される釜石鵜住居復興スタジアム(仮称)の建設現場を見学したほか、釜石高等学校・釜石商工高等学校ラグビー部の合同練習にも参加。夜にはラグビーW杯2019釜石開催支援連絡会が主催するタウンミーティングに出席した。

 ファーディー氏は取材に応じ、復興について「6年半振りの釜石は震災当時から大きく変わり、ここまで復興できてよかった。ただ仮設住宅での生活を余儀なくされている方も未だにおり、新しい住居に移られることを期待している」と語った。また「子供たちと触れ合え、元気があってよかった。W杯を通じて若いうちから世界最高のラグビープレイに触れ、将来プレーヤーとして男女とも活躍が期待できる。ラグビーの街である釜石でW杯が開催されることは、自分の街で開催されることのようにうれしい。震災ボランティアとして釜石に残り、他人を思いやる気持ちを学ぶことができ、私の人生の大きな支えとなっている」とした上で、東京2020オリンピック・パラリンピックに向けて「来日するオーストラリア人に釜石をPRしたい。釜石は伝統的な日本が残るよいところ。私自身暮らしていたのでぜひ紹介したい」とコメントした。

© 株式会社鉄鋼新聞社