FE第6戦:王者ディ・グラッシの猛攻を抑えたベルニュが今季2勝目を挙げる

 ウルグアイのプンタ・デル・エステで開催されたフォーミュラE第6戦。17日に行われた決勝レースは、ジャン-エリック・ベルニュ(テチータ)が制し、今季2勝目を挙げた。

 海岸沿いの道路を使用して行われるePrix。過去2度の大会ではセバスチャン・ブエミ()が勝利している。

 予選から速さを見せたベルニュは、トップタイムでポールポジションを決めスーパーポールポジションに進出する。しかし、セクター1でウォールに接触し5番手に留まる。

 ポールポジションは前戦でようやく初ポイントをゲットした悩めるディフェンディングチャンピオン、ルーカス・ディ・グラッシ(アウディスポーツ・アプト・シェフラー)が獲得する。

 しかし、予選後にシケインカットのペナルティが4人のドライバーに出され、ポールポジションはベルニュのものに。ディ・グラッシは2番手からのスタートとなる。スーパーポールに出場したミッチ・エバンス(パナソニック・ジャガー・レーシング)はスーパーポールだけでなく予選でのタイムも消去され16番手スタートとなる。

 迎えた決勝レース。ベルニュが好スタートを見せトップをキープ。出足が鈍ったディ・グラッシもアレックス・リン(DSヴァージン・レーシング)に並ばれるが、なんとか2番手を死守する。

 2周目にニック・ハイドフェルド(マヒンドラ)がストップ。前戦のメキシコに引き続きマシントラブルに見舞われた。ハイドフェルドのマシンを除去するため4周目にセーフティカーが導入される。

 セーフティカー導入前にセバスチャン・ブエミ(ルノー・e.ダムス)がサム・バード(DSヴァージン・レーシング)を豪快にオーバーテイク。勢い余ったのかその直後のセーフティカーが入った際にアンドレ・ロッテラー(テチーター)も交わしてしまう。

 6周目にレースは再開。審議対象になると思われたブエミはウォールにタイヤをヒットさせてしまい次々にオーバーテイクされる。11周目終わりでピットインしたブエミは、バッテリー的に最後まで走り切るには難しい状態でマシン交換を決断する。

 ベルニュはトップをキープ。ディ・グラッシも僅差で追っていく。12周目、前戦で初優勝を果たしたダニエル・アプト(アウディスポーツ・アプト・シェフラー)がオリバー・ターベイ(NIOフォーミュラEチーム)を交わし4番手へ浮上する。

 19周目終わりでベルニュとディ・グラッシはピットへ。アプトもリンを交わし3番手でピットへ。

 ベルニュはディ・グラッシの前でピットアウト。ピットアウト後も果敢に攻めるディ・グラッシだったが、ベルニュと並んだところでアウトに膨らまざるを得ずトップを奪うことができない。

 3番手を走行していたアプトだったが22周目終わりで再びピットへ。マシンを交換した際にシートベルトがしっかり締まっていなかったようだ。アプトは15番手に落ちてしまう。

 これで3番手に浮上したのはピットインのタイミングで4番手に上がっていたバード。フェリックス・ローゼンクビスト(マヒンドラ)、そして16番手スタートだったエバンス続く。

 残り10周、再びディ・グラッシがベルニュに詰め寄る。このトップ争いにバードも接近していく。エバンスはローゼンクビストを交わしリンと4番手争いを繰り広げる。

 激しいトップ争いは最終ラップまで続いていく。最終ラップの最終コーナーに最後のアタックを試みたディ・グラッシは、ベルニュのマシンにヒットするもオーバーテイクには至らず。ベルニュが今季2勝目となるトップチェッカーを受けた。

 バードが3位。4位は33周目にリンを交わしたエバンス、5位にはローゼンクビストが入った。

「そんなに多くのレースを勝ってはいないが、今日のドライブはもっとも満足しているレースのひとつだよ。今日の勝利は、激しい仕事が報わられるね。僕たちは唯一のプライベーターであり、ほかのドライバーを打ち負かすためには彼らの2倍は仕事をしなければならないんだよ」とベルニュ。シリーズランキングも2位のローゼンクビストとの差を30ポイントに開いている。

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