小田原ゆかり「白秋」映画に 鴨宮の竹村さんが監修 小田原市

報告会見で出演者と竹村さん(前列中央)

 小田原ゆかりの詩人・北原白秋と、数々の名曲を残した音楽家・山田耕筰の人生を描く映画『この道』が今秋以降に公開される(配給/LDH pictures・(C)LDH JAPAN)。箱根町宮ノ下の富士屋ホテルで2月26日、クランクアップ報告会見が行われた。

 童謡誕生100年を記念しての映画化。撮影は今年1月から2月にかけて行われた。監督は映画『半落ち』(2004年)で日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した佐々部清さん。白秋を大森南朋さん、山田耕筰をEXILEのAKIRAさんが演じる。雑誌『赤い鳥』創刊者で2人に童謡創作を依頼した鈴木三重吉役で、小田原出身の柳沢慎吾さんも出演する。

 会見で大森さんは白秋を「波乱万丈の人生で人間味あふれた素敵な人物」と話し、AKIRAさんは「改めて、日本の音楽の素晴らしさに触れることができた」と振り返った。2人が愛した富士屋ホテルで撮影を締めくくり、佐々部監督は「家内と一泊したことがある。撮影できることになり本当に驚きました」と述べた。

 監修は、鴨宮在住で政治史研究家の竹村忠孝さん(63)が務める。16年10月、竹村さんが池袋芸術劇場で行った講演を聴いたプロデューサーから映画化への相談があったという。小田原と箱根の経営者たちの協力を得て、17年5月に脚本家の坂口理子さんを小田原に招いて、白秋が辿った散歩道を案内。元城内高校フォークソング部のメンバーも白秋の童謡を歌いながらシナリオロケに同行した。

 山田耕筰の子どもとの交友がある竹村さんは、「ナショナリズムに巻かれながら日本の文化、音楽を残していこうとする姿が見どころ」と語る。映画には、地元からナック中村屋の小西正宏さん(66)らがエキストラとして出演している。
 

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