メルセデス・ベンツ、新型Sクラスに20年ぶりに直6エンジン搭載…新技術ISGも採用

メルセデス・ベンツ 新型S 450

メルセデス・ベンツ日本は、最高級セダンの新型Sクラスに新技術ISGを搭載したS 450、さらに装備を充実させたS 450 エクスクルーシブ、全長を13センチ長くして後席の空間を広げたS 450 ロングの3モデルを追加し、2018年3月1日より予約注文の受付を開始した。。なお、納車は2018年4月頃を予定している。(S 450 ロングは2018年夏頃の納車を予定)

Sクラスは、2017年に安全性と快適性、効率性を高次元で融合するインテリジェントドライブがさらに大きく進化。クルマが通信機能を持ち利便性を飛躍的に向上させる「Mercedes me connect(メルセデス ミー コネクト)」を初導入、新開発のパワートレインの導入など、安全性と快適性、効率性など自動車に求められるあらゆる要素を兼ね備えて生まれ変わった。

S 450、S 450 エクスクルーシブおよびS 450 ロングは、バランスに優れ、コンパクトな新型直列6気筒エンジンとISG、48V(ボルト)電気システムおよび電動スーパーチャージャーなどの新技術を搭載することにより、効率性、快適性、高性能化を同時に実現したモデルとなっている。

ISGとは

ISGはエンジンとトランスミッションの間に配置された、最高出力16kW、最大トルク250Nmを発生する電気モーターで、オルタネーターとスターターの機能も兼ねている。この電気モーターと48V電気システムにより、従来のハイブリッド車のような回生ブレーキによる発電を行い、約1kWhの容量のリチウムイオンバッテリーに充電する。エンジンが低回転時には、その電力を利用して動力補助を行うことで、高い効率性と、力強い加速を実現する。

48Vまで高められた電気システムにより、動力補助に十分な出力を得ることができる一方、60Vを下回る電圧としたことで、専用の乗員保護機構は不要となる。スターターが従来より高出力な電気モーターとなることで、エンジン始動時の振動を抑え、エンジンスタートおよびアイドリングストップの際の再スタートの快適性を向上させた。

また、2秒以下のエンジン停止は、アイドリングストップをしない時よりも燃料消費量を増加させることから、ドライバーの走行データやレーダーセンサーからの情報をもとに、エンジンが2秒以上停止しないと予測した場合には、あえてエンジンを停止しない機能を採用している。

さらに、アイドリング時には、電気モーターの充電電流を調整することで、エンジン回転数を毎分520回転という低回転で安定的に保つことを可能にし、効率性、快適性および静粛性に寄与する。

新型直列6気筒エンジン「M256」を搭載

新型S450に搭載される直列6気筒DOHC 3リッター直噴ターボエンジン

今回の3モデルに搭載される新型M256エンジンは、単体で最高出力367PS(270kW)、最大トルク500Nmを発生する。メルセデス・ベンツにとって1997年以来約20年ぶりの直列6気筒エンジンの採用となり、電化を前提にして設計された初めてのパワーユニットである。

直列エンジンの採用によりエンジン左右のスペースに補器類を配置することが可能になったことに加え、従来はエンジン回転を動力源としていたエアコンディショナー、ウォーターポンプなども電動化されたため、エンジン前部のベルト駆動装置が不要となり、よりコンパクトなエンジンになった。また、エンジン近接型の触媒を採用し、より効率的な排出ガス処理を可能にしている。

さらに、12mmオフセットされたエンジンや、シリンダーウォールにスチールカーボン材を溶射コーティングするNANOSLIDE摩擦低減加工を施すことで、フリクションロスを低減している。

電動スーパーチャージャー

排気によるターボチャージャーが効果を出しづらい、低回転域で過給を行う電動スーパーチャージャーを搭載することにより、ターボラグを解消する。電動スーパーチャージャーとISGによる動力補助および排気ターボチャージャーとの組み合わせで、あらゆる回転域で俊敏なエンジンレスポンスを実現している。

© 株式会社MOTA