『トゥームレイダー ファースト・ミッション』 猫科動物のような主演アリシアも見どころ

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 2001年、03年に公開されたアンジェリーナ・ジョリー主演シリーズのリブート企画だ。今回は原作のビデオゲームのうち、13年に発売されシリーズ最高の売り上げを記録したソフトに基づく。その特徴は2つ。主人公のララ・クロフトがトレジャーハンターになるまでのはじまりの物語であることと、日本の邪馬台国の女王・卑弥呼がターゲットの元ネタになっていること。映画もそれを踏襲し、大学生のララが、資産家で冒険家の父親が遺した謎を追って地球の東端にある神話上の島を目指す。

 アンジー版との一番の違いは、成長物語である点。超人的なヒロインではなく生身の女の子が、トレジャーハンターの才能を開花させていく過程が丁寧に描かれているのだ。まさに前半はハリウッド作劇術の粋を集めたような面白さで、後半になるとアクションの連続で一気に畳み掛ける。ノルウェー出身のロアー・ウートッグ監督は、これがハリウッド・デビューにもかかわらず、大仕掛けのアクション演出が本当にうまい。映画は被写体とカメラの相関関係で成り立っているが、どこから撮ればアクションが際立つかを熟知しているよう。

 そして、何より主演のアリシア・ヴィキャンデル。生身感を伴った文字通り体当たりのアクションと、猫科の動物のような身体性も大きな見どころだ。それにしても、助演オスカーを獲った後にララ・クロフト役というのはアンジーとそっくり。今後の更なる飛躍が期待できそう! ★★★★☆(外山真也)

監督:ロアー・ウートッグ

出演:アリシア・ヴィキャンデル、ドミニク・ウェスト

3月21日(水)から全国公開

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