柏陽鋼機・鋼材加工センター、「ものづくり改善活動」推進 作業台車製作・誤出荷防止策など、独自アイディアで取組む

 柏陽鋼機(本社・柏崎市、社長・佐藤二三昭氏)はコンサルタントから指導を受け「ものづくり改善活動」に取り組んでいる。鋼材加工センターでは作業台車や視覚に訴えた誤出荷防止策など随所にアイディアが盛り込まれている。

 一昨年より一年半の間、改善技術研究所(酒田市)の竹内均氏から指導を受けた。月一回の指導の下に毎週木曜日に一時間「ものづくりタイム」を設けて課題に取り組み、議論や治具の製作など、自力で改善活動を継続している。鋼材加工センターの取り組みを紹介する。

 取材時に最初に目に飛び込んだのが車輪が10個ついた作業台車「飛車」。切断、穴あけした胴縁を溶接、もしくは塗装ブースに運ぶためのもの。従来はクレーンで吊っていたが、上下する時間を省き、直線移動だけにしたことからこのネーミングとなった。

 4輪では重かったそうだが、車輪を増やしたことで人力でも押せるようになった。講師からは当時構内の平坦化の指摘があり、クレーンレールの段差をいずれ埋めても良いと考える。

 溶接作業は自前で作業台を制作。講師からは「人間のへそを中心にしたストライクゾーンがちょうど良い」とアドバイスを受け、現場で話し合い、台の高さを決定した。

 もう1つが色による誤出荷の防止。山形鋼は長さごと、角パイプは厚みごとに端部を塗装。胴縁は結束バンドの色やリボンで客先、物件ごとに分ける。

 営業や営業サポートと現場では工数精度の向上について話し合った。1つの工程が何分、何時間かかるかの予測を共有することで、客先への回答精度や前工程の段取りの正確な把握につながる。その誤差が少ない=精度が高いことが円滑な業務遂行につながる。

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