生田緑地 動画で集客へ 日英の字幕付き、区が制作 川崎市多摩区

60秒動画の一場面

 日本民家園を中心に生田緑地の魅力を広報する動画を多摩区が制作し、今月公表した。外国人観光客や生田緑地に訪れたことがない人をターゲットに、多摩区に足を運んでもらうための足がかりとして活用していく。

 日本民家園が今年度開園50周年を迎え、多摩区ではさらなる情報発信手段としてPR動画の制作を考案。四季折々の魅力を伝えようと、昨年4月から今年の1月まで、桜や雪景色などの移り変わる景色を撮りためてきた。ドローンを活用した空撮のほか、園内の催しの様子も収めている。

 動画は15秒と60秒の2種類。動画内の字幕では日本語と英語を併記した。企画した区地域振興課の伊藤昭義課長は「東京五輪など国際的なイベントも控えている。区内外の多くの人に魅力を知ってもらえたら」と思いを語る。

 区は3月16日から29日、4月27日から5月3日に、JR川崎駅東口のアゼリアビジョンで15秒動画を放映。区観光協会のホームページで60秒動画、動画投稿サイト「ユーチューブ」の「川崎市チャンネル」では両動画を視聴できる。今後は、川崎駅北口に新設された「かわさききたテラス」の画面や、街中の電子看板での放映を検討。外国人観光客の目に触れる機会を増やしていきたい考えだ。

需要高まる受け入れ対策

 日本民家園の外国人入場者数は増加傾向にあり、2016年度は約5900人だった。藤子・F・不二雄ミュージアムは約8万3000人に上る。

 川崎市では16年に策定した「新・かわさき観光振興プラン」に基づき、インバウンド(訪日観光客)対策についても積極的に取り組んでいる。先月26日には、(株)ぐるなびと連携したインバウンド対策特別セミナーを多摩区役所で実施。「登戸・向ヶ丘遊園エリア」における対策の必要性を受けての開催で、当日は市内の飲食店経営者らを中心に15人が参加し、具体的な取り組みの事例や集客方法について学んだ。市担当者は「外国人に回遊してもらうためには、飲食店も一つのカギになる。まず店舗でできることから取り組んでもらいたい」と話している。

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