「暑さの中で勝ちにこだわる」 井上大仁(25)=MHPS= アジア大会マラソンへ意気込み

 8月にインドネシア・ジャカルタで行われるアジア大会のマラソン日本代表に決まった井上大仁(MHPS)が19日、長崎市内で報道陣の取材に応じ、本番へ向けた意気込みを語った。
 -夏の過酷な環境でのマラソンは、体へのダメージも少なくない。出場を決断した理由は。
 どういう状況にも対応できる強さを身につけるため、いろんな場面でのレース経験が積みたかった。ライバルたちに勝つために自分ができることを考えた時に、アジア大会のような場所で勝負勘を養ったり、苦しい環境を克服して強くなるのも大事だと思った。
 -気温が高い中でのレースが予想されるが。
 どちらかというと暑さには強い方。夏場のマラソンは初めてだが、学生時代から暑い時期のレースで強いライバルに勝ったりもしていて苦手意識はない。今回もそんなレースをして、自分の自信や強みにしたい。
 -本番までの4カ月間、どう準備していくか。
 一つは耐久力を強化する。練習法は人それぞれだが、自分はコツコツ積み重ねていくタイプ。今までやってきたことをベースに、監督と相談しながら体調に合わせて練習を組み立てていく。
 -暑さ対策について。
 日本の夏も暑いので十分対策になる。体調不良に気をつけながら、暑い環境に慣れていこうかと考えている。例えば日ごろの生活からエアコンに頼らないなど。
 -2020年東京五輪を目指す過程の中で、アジア大会の位置付けは。
 「東京五輪のため」とは捉えていない。アジア大会で結果を残すために臨む。勝ちにこだわり、結果的に東京五輪に出られた時「あの経験が生きた」と言えるようなレースにできればいい。
 -目標を。
 暑さの中で勝負して勝つ。やるからには金メダルを狙っていくけれど、それを言わされて、昨年の世界選手権のように平常心を崩してしまうのではなく、自分の力と向き合った上で、挑戦して勝てたら。昨年くらいから、渋い顔でのゴールが続いているので、そろそろ笑顔でゴールしたい。
 -長崎から世界を目指していることについて。
 小さいころからずっと過ごしている長崎の地で、身近に応援してくれる人がいるのは大きい。皆さんに喜んでもらいたい、という気持ちも原動力の一つになっている。

「勝ちにこだわるレースがしたい」と意気込む井上=長崎市、三菱重工昭和寮

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