中日守護神・田島に募る不安 3試合連続失点でOP戦防御率は16.88

中日・田島慎二【写真:荒川祐史】

20日のソフトバンク戦では中村晃に同点ソロ、川島にサヨナラ3ランを被弾

 たかがオープン戦、されどオープン戦。中日にとっては、痛恨の1発、いや2発だった。そして、シーズンに向けて不安が募る敗戦だった。 

 20日、ヤフオクドームで行われたソフトバンクとのオープン戦。1点リードで迎えた9回に、クローザーの田島慎二が炎上した。まず先頭の中村晃に真ん中へのシュートを右翼席に運ばれ、ソロを被弾。オープン戦8連敗中だったホークスに、同点に追いつかれた。 

 続く松田は三塁へのボテボテの内野ゴロとなったが、これを堂上直が一塁へショートバウンドの悪送球。これでリズムが崩れたか。犠打で二塁へ進められ、代打・本多を今季から導入の申告敬遠で歩かせると、今宮を遊ゴロで打ち取って2死としたが、最後は川島にやられた。 

 3ボール1ストライクからの5球目。内角高めへの真っ直ぐを完璧に捉えられた。打球は左翼スタンドへ届くサヨナラ3ラン。試合後は「高さ、コントロールも大事」と語った田島だったが、5回まで5点をリードしながらの逆転負けに、不安を覚えた中日ファンも少なくないだろう。 

谷元、祖父江、ドラ1鈴木らは無失点を継続

 昨季63試合に投げ、34セーブを挙げた田島だが、オープン戦はピリッとしない投球が続く。侍ジャパンの一員として参加した「ENEOS 侍ジャパンシリーズ 日本vsオーストラリア」では3日の試合に登板し、1回を無失点に封じたが、オープン戦初登板となった9日の阪神戦では9回に4連打と押し出し四球で2点を失っている。 

 2度目の登板となった14日の西武戦は同点の9回に登板。1死二塁で森に勝ち越しの2ランを浴びて負け投手となった。そして、この日は1イニングに同点弾、サヨナラ弾と2本の本塁打を浴びて4失点(エラーが絡んでいるため自責点は1)。オープン戦3試合で8被安打3被弾、防御率は16.88となっている。 

 リリーフ陣は谷元圭介投手、祖父江大輔投手、そしてドラフト1位ルーキーの鈴木博志投手がオープン戦無失点を継続中。育成の木下雄介投手も好投を続けている。又吉克樹投手も先発から中継ぎに配置転換され、この日は2イニングを無失点に抑えた。 

 今季もクローザーとして計算されている田島の不振。このまま状態が上がってこなければ、勝利の方程式の再構築を余儀なくされることもありそうだ。 

(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)

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